短篇集連載『新時代記』より『澤口誠司 空間残留思念感応者 』
『進化論』。
当たり前のように学んできたことだったけど、実は、いろいろと問題があるらしい。
だから、“生命は何者かにデザインされて創られた”という考え方と、科学的という意味では大差が無いのだそうだ。
どんなことを例に出していたっけ?
昔、少しの間だけ通っていた教会の、牧師さんが話してくれた話。
“生命の変化”が、何者かの意志によるものか、偶発的なもので淘汰によって“新たな種”としてポジションを獲得した結果か。
真実はわからない。
真実はわからないけれど、ちょっと、世の中は慌ただしくなってきている。
不思議な“力”に目覚めた人間が増え始めているのだ。
“力”の種類は統一されていないし傾向も無い。
ただただ、不思議な、説明不可能なことができるのだ。
そのせいだろうか?
みんなの『進化論』に対する認識は、“──何者かにデザイン──”に傾いているように思う。
新しい説明不可能な力は、科学で説明できない“誰か”に与えられたに違いない。
そんなボンヤリとした想いが、みんなの中に育ち始めていた。
ただ、その“誰か”は、かなりジョーク好きで、そして残酷な存在に違いない。
ボクたち人間に起きた“新しい波”。
その時に、どんなことが起きたのか、ここに記しておきたいと思う。
空間に残っている、他人の感情の欠片を読み取る“力”を手に入れたボクが、知ったいろんな物語を。
始まりで終わりの刻が、どんな風に流れていったのかを。




