メッセージがあります
感想、評価、ブクマ、ありがとうございます
うれしいです
友情てなんだろうとか思いながらもう一度スマホの画面をスクロールした
二桁の年数会ってない「親友」からのメッセージ
一体誰からアドレスをきいたの
削除したところでこの虚しさは変わらないけれど、あたしは「はい」のボタンを押した
一昔前、子どもさえ産めば、離婚したとしても一度でも結婚すれば、それで勝ち組って言ってた時代があった
「あんたが勝ち組なら、あたし負け犬でいいわ」
ねぇ、あのときのあたしのあの言葉、本気なのよ
あれでお別れしたでしょう
理解できないままにまたすり寄ってきたのね
「助けて」と言ったその口であたしを嘲笑う、あんたがあたしをどう見てるのか知ってる
「わたし、バカだから」って思考を放棄した、
あんたと同じレベルに堕ちるつもりはないの
あたしはあのときあんたを吐き出した
「相談できるの、あなただけなの」
懐かしい、その言葉
何度聞いただろう
ねぇ、あんた何度あたしにそれ言ったかしら
あたしが必死に声を、思考を、心を紡ぐとき、
あんたはその度になんて言ったか憶えている?
あたしはあんたを理解できないから、ずっと決して近づかなかったのに
浪費した言葉をすべてかき集めて、後ろ手に消毒液へ浸そう
親友という形はこれだというのなら、この世から親友を亡くしてしまいましょうよ
あんたが余所であたしのことそう言ってたって
わかってるよ、今更惜しくなったんでしょう
あんた、あたしが言った通りの道を辿ってる
上の子、きっと大きくなったわね
耳をくすぐる言葉が欲しいなら、占いにでも頼るがいいわ
ねぇ、あんたの中では、あたしはまだおさげなんでしょう
どうでもいいことを思い出した
ハイボールの氷が溶けた
酔えない琥珀を煽って、あたしはあたしのための言葉を紡ぐ