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今回も古典について書こうかと思います。
私が読んだ中で面白いのは「落窪物語」も入ります。これは現代風に言えば、シンデレラストーリーですね。
主人公の落窪の姫君はすごく賢くて健気です。それでも継母から色々と言いつけられてはこき使われる日々で。特に彼女はお裁縫が得意でした。そのおかげで継母の衣類から父君、腹違いの兄弟達のに至るまで毎日、針を動かしている状態でした。
そんな彼女に興味を持ったのがプレイボーイで有名だった近衛中将でした。中将は自分の従者である男から可哀想な姫君がいるという噂話を聞きます。中将はそれからというものの姫君に文--ラブレターを送るようになります。けど姫君からはお返事が来ない。痺れを切らした中将は従者の男に命じて姫君が住むお邸に連れて行くように言います。
仕方なく従者の男は姫君の住んでいるお邸を調べて連れて行きます。垣間見ができる部屋を探して中将を案内しました。
ちょうど、姫君のいる部屋がよく見える場所で陣取り中将は垣間見をします。よく見るとこの世のものとは思えないような美女がいたのです。これには中将も驚きます。
中将は本気で姫君を振り向かせたいと思い、彼女の部屋に押しかけました。ところが初めての男性に姫君は怯えてしまいます。仕方なく中将は自分の想いを告げるだけに留めてその場を去ります。けどそれからというもの、以前よりも熱心に文を送るようになったのでした。
その後、姫君が中将と恋仲だと言うことが継母に知られてしまいます。これには継母も激怒して姫君は物置小屋に閉じ込められてしまいました。そんな主人を阿漕は心配して中将に助けを求めます。姫君は阿漕、一番末の弟の若君を味方につけて物置小屋から脱出する機会をうかがっていました。継母や他の兄弟達がある日にお祭り見物で留守にしていた時を狙い、中将は姫君を物置小屋から助け出します。
やっと姫君は中将と結婚ができました。継母の妨害もなく穏やかな日々を過ごす姫君でしたが。中将は意趣返しにと姫君と暮らすお邸に継母や姫君の実父、腹違いの兄弟達を呼び寄せます。以前よりも美しくなった姫君を見て継母は驚きます。一番末の若君は姫君の無事な姿を見て安堵します。継母はこれにも怒りますが。実の娘達にたしなめられてやっと彼女は静かになります。
そうして中将のおかげで姫君は継母達とも和解して幸せな日々を送ったのです--。
「落窪物語」はこんな物語です。シンデレラによく似たストーリーではありますが。こっちの方が完成した年数は古いです。
それではお読みいただきありがとうございました。




