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70.過去の話


石が…急に気を利かせ…尾田の記憶を俺に念写した


俺の意識に見えるのは…白い病室…とても…悲しい感情…喪失感…無力感とも思える雰囲気…

映像と…声が聞こえた…

「俺が馬鹿なことにお前を付き合わせたから…こんな事になった…」

あの女が…霧摩先輩に土下座をして謝るのを…あの頃の僕は見ていた…

「べっ…別に…気にしなくて良いよ!連子ちゃんが…危ないって言ってくれたのに…無理してついてきた私が悪いんだから…」


それは…僕が鷲見先輩を木登りに誘って…僕が言った一言が原因なのに…

「霧摩先輩は駄目だよ!これは男の遊びなんだから!女の子は座って、僕と鷲見先輩のどっちが勝つか見ていてよ!」

他愛な子供の言葉…

「おいおい、俺も女だぜ?後輩?」

鼻で笑いながらも先輩は僕との勝負に乗り気だった…

この頃僕は…小学二年生で…先輩達は三年生だった。

当時は男女間に気恥ずかしさを考えるような年齢で、女の子らしくない先輩の方が気軽に話すことが出来て、それもライバルのような関係で勝負出来たが、女の子らしい霧摩先輩とは少し話し難い関係だった。


だからこそ…僕は鷲見先輩によく勝負を挑んで、コテンパンに負かされていた。

3人ではなく2人で遊んでいるような近状に…ついに…霧摩先輩は…


「ずるいよ…連子ちゃんばかり…」

拗ねる…この頃の霧摩先輩は…僕たちの中でもまともだった…だから…だから…


自分も仲間に入れてもらいたくて…僕たちの木登りに…後から上りだしたんだ…


僕は…鷲見先輩に勝ちたい事しか考えず…木を登った…

全力で登った…一生懸命上った…でも…


先輩は僕の一歩先を楽勝と言いたげに上っていたが…

「…っ!!…」

そんな声が聞こえたかと思った時に…先輩は急に手足を止め…僕はその隙に先輩を抜かした…その時の先輩の顔は…今でも覚えている…驚愕…僕に負ける事に表した表情だと思っていたのに…


「馬鹿!!何やっているんだ!!」

先輩が…急に…木を降りはじめたが…僕は…木を登り…下を見て…


そこには…木の枝に片手でしがみついている…先輩と…

「腕に掴まれ!!」

木の枝から…懸命に手をのばして…先輩に助けを求めている

「駄目…もう…げんか…」

霧摩先輩だった…あの声は…霧摩先輩で…先輩はそれに気づいて…僕との勝負を捨てて助けに行った…


でも…


バキィ!!


枝が耐え切れず折れ…


先輩の手は彼女には届かず…霧摩先輩は…地面へ落ちていく…

そして…先輩は…自ら…手を離し…霧摩先輩を掴むと…ポキン…と小枝が折れる音がして…


先輩と霧摩先輩は抱き合うように地面に落ちた…


慌てて降りた僕は…すぐに近所の大人を呼んだ…

そして、二人はすぐに病院へと行った。


先輩は無傷だったが…霧摩先輩は…足を骨折してしまい…先輩は一応脳波を調べるために検査入院で霧摩先輩は、足の手術で入院が決まった。


そして、目覚めた先輩が…初めに行った事が…霧摩先輩に土下座だった


でも…本当の事件は…この後に起きた…



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