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68.先輩を殺したのは?


「それは…どういう意味だ?」

俺は…口を動かし…やっとそれだけを言えた


俺は…先輩を殺したのはこいつだと思っていた…

だが…こいつは…俺に先輩が死んだのかと聞く…つまり…自分は先輩を殺してないと言っている事と同じなのだ。


「俺は鷲見を確かに憎しんでいたが…俺は殺してない…殺していると思われているが、俺じゃない!!」


「信じられるか…なら、お前はなんで脱走したんだ?復讐するために脱走したんだろ?」

そうだ…こいつは施設を脱走してまで…


「俺が自分の力で脱走した訳じゃない…俺はこの街に連れて来られたんだと…思う…」

連れて来られた?と思う?いったい…何の話だ?

「そんな話信じられると思うのか!!じゃあ…なんで先輩を恨んで…」


俺がそう言うと、奴は少し黙って…顔をうつむけた…

「俺は…あの女を殺したかったんじゃない…あの女に償わせたかった…」

償わせる?先輩に何を?


「あんな都市伝説なんて信じたから…あの女は…霧摩先輩を忘れたんだ…

紅い石の伝説なんて信じるから!!」

俺は…反射的に、石を入れているポケットに手を入れた。

(どういう事だ!!なぜお前のせいで人を忘れたと…)

(わからぬ…)

石は本当に知らない素振りだが…


「あの女だけじゃない…霧摩先輩を忘れた全てが憎い!!

俺は霧摩先輩を殺した奴も…霧摩先輩の存在を忘れて殺した奴らも許せない!!」

忘却…それは…石の代償の力…もし…先輩が…この石を手に入れていたら…それが…この石の再会の能力を超える願いだったとしたら…


例えば…死者…死人との再会…


それは…店長が言っていた…“死者との再会を望むな”

あの警告がなければ…俺は石に先輩との再会を望んでいた。


「それに…霧摩先輩のあの妹にも…復讐してやる!!

あの女より憎い!!自分の姉を守れなかったあの女の家で暮らしていたあの女が!!」


先輩の家に?暮らした…霧摩先輩の妹…それって…

「普通…自分が守れなかった大切な人の妹が居たら忘れないはずだろ!!

何で忘れることが出来るんだよ!!忘れたら、お前が思い出させろよ!!

何の為に家に居るんだよ!!復讐の為だろ!!クソッ!!」

尾田は興奮して地面を蹴り、喋り続ける…だが・・・俺には、そんな些細なことはどうでも良かった


つまり…先輩を殺す理由があるのは…


「月影君!!鷲見君の妹が…じゃなくって…鷲見君の家族だけど…叔父さん以外に司ちゃんの妹も居たんだよ!!」

電話でちょうど俺が考えていた事を聞いた桜庭が慌てて走ってくる。

「今は何処にいるか調査中だけど…もう少しこの妹について調べたくなったから!!尾田君の話を聞いたら、メモ取ってね!!」


俺は…走り去る…桜庭を見て…尾田に顔を向ける


「だそうだ…次は俺の話を聞いてもらおうか…」

「はぁ…はぁ…なんだよ…まだ話しているのに…」

話を途中で止められた尾田が不服そうに、俺を見るが…


「なに…簡単なことだ、霧摩先輩の妹についてだが…」

「ああ…あいつが…どうしたんだ?」

俺は、落ち着かせ…たった一言…尋ねた

「その妹の名前は…冥乃か?」


「なんで知っているんだ?」

尾田の言葉に…俺は…



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