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67.過去の事件の話


「いい加減に、起きろ!」

俺は、打撃で意識を失った尾田に蹴りを入れる


「ぐっ・・・」

ニ、三発蹴りを入れた所で、尾田が目を開ける…


「月影君…そんなに乱暴にしなくても…」

俺の行動に桜庭は意見したが、これでも生ぬるいくらいだ。

いや、むしろ、生ぬるすぎる!!こいつは、先輩の目を…先輩に牙をむいた奴だ!!


「俺はこいつが嫌いなんだよ!!先輩を傷つけたこいつが!!」

本来なら…全ての筋を切り裂いて…関節を砕ききっても、文句は言えない!!

いや、絶対に言わせない!!


「せ…先輩?…ああ…お前…あの女の後輩か…」

俺の言葉に、地面で苦しそうに横たわる尾田が、俺に話し掛けてきた。


俺は…先輩をあの女扱いする、尾田の腕を踏みつけた


「ああ、俺は鷲見先輩の後輩だ!今から俺は、お前に質問する…

返事は全てYESか肯定で答えろ」


「……」

尾田が俺をにらみつける…


「抵抗はしないか?」


尾田が首を縦に振る…が、抵抗の牙はまだへし折れていない…

隙を見せれば、即座に襲い掛かるだろう


だから、俺はこいつの反抗する質問をすることにした。

反旗を翻す気など起こさせぬように…

「ただ頷くしか出来ない、弱者…俺の質問に正直に答えるか?」


尾田が俺をにらみつけ…そして、馬鹿にするような顔をすると…首を横に…


俺はその瞬間容赦なく、尾田の顎を蹴り上げた!!


「言っただろ?YESか肯定の意で解答しろと…」

口から血をこぼす、尾田の頭に、俺は足を置き…


ミシミシ…!!


「!!!!!!」


尾田が苦悶の表情を惜しみなく曝け出す…

だが…その眼には…まだ俺に対する反逆を諦めてはいない


「逆らえば…砕…!!」

俺は反射的に体が動こうとして…

俺たちは…次の声に動きを止めた!!


「いい加減にしろ!!!!」

俺の言葉を桜庭が遮る!!


「僕は尋問をしに着たんじゃない!!僕は取材しに着たんだ!!」

俺は本来の目的に、歯を食いしばり、そっぽをむいた


「それに!!尾田君!!君も反抗しすぎだよ!!

気が立っている人を怒らせて余計な怪我をしたらどうするの!!

ほら!!ハンカチ渡すから、これで口を拭いて!!」


尾田にハンカチを手渡す桜庭を横目に…俺は腕を摩る…


鳥肌が少し立っていた…


足に力を篭める瞬間…反射的に、俺は後ろへ逃げようとしていた

もし…あの時桜庭の声が無ければ…何が起こったのだろうか…

(妾も…驚いた…なんじゃ…さっきの気は…)


今までも黙っていた石が喋りだした。

(どうしたんだ?…今まで黙っていて…それに…お前も何か感じたのか?)

(うむ…最近よく意識が飛んでいる気がするのじゃ…じゃが、それよりも、あの…狂った…感じがしたのじゃ…が…あれは…)

石がなにかを伝えかけようとしたと瞬間…


俺は腕を引かれる感覚に反応してその方向を見ると…

桜庭が携帯を片手に、俺の腕を引いていた

「尾田君が話をしてくれるって!僕は後からで良いから、月影君の聞きたい事を先に聞きなよ」


「別に良いけどよ…なにかあったのか?」

「うん、君に頼まれていた事の中間報告が来たんだよ…ごめん、急ぐから!!」

桜庭はそう言って、部屋から出て行った…


頼んでいた事?

ああ、家族の事を調べてもらっていたな…


俺はそう納得し尾田と向かい合う椅子の前に座ろうとして…

(おい、さっきは何を言いかけたんだ?)

俺は石にそう語りかけたが…石は何も答えなかった…


まあいい…俺は尾田を見る…

「質問に答える前に…ひとつ教えてくれ…」


尾田が…俺にそう話しかけてきた…

その眼には俺を怯える様子はなく、対等に扱われているという自信に溢れていた…

気に食わない…


「ああ、何が知りたいんだ?」

俺がそう言うと…尾田は、寄り目に力をこめて…

「あの女…鷲見連子が死んだって…殺されたって…本当なのか?」

俺は…その言葉に…無様に口をあけてしまった…



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