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64.尾田遭遇


「あはは、羅刹さんにからかわれたんだね」

店を出て、何で顔が赤かったのかをしつこく聞いてくるものだから、俺は割愛して答えてやった。(指を咥えさせられたとか、首を舐められた事は内緒にしたぞ)


「まったく…朝から疲れた…」

俺は両肩を下げる…

「なんだい!!これからが本番なんだから!!今から、尾田君に会うんだよ!!」

そんな俺に喝を入れるように、桜庭は俺の背中を叩く…

内心ウザイと思った。


俺は桜庭の案内で廃ビルの前に着いた。

「ここは三年前に経営不振で倒産して、それから、新しい企業が入るたびに潰れる魔のビル」

桜庭が、まるで肝試しをするかの様に俺に話しかける。

俺は、そうか、そうか、と相槌うちながら俺は、廃ビルに入る


「待ってよー!!まだ合図してないんだから!!」

桜庭はそう言うと、石を足元から拾うと、ビルの窓ガラスに投げて…


ガシャン!!


窓ガラスは割れた!?


「おい!!何するんだ!!逃げるだろうが!!」

俺は桜庭慌てて近づく

「まあまあ、これが合図なんだから〜普通にこんな派手な音がして入る人はいないから、確認はするさ」


確かに、下手に静かに誰かが侵入するよりも、音をたてて、入ることを教えていれば、警戒は少しは和らぐだろう…逃げなければだが…


「さあ、近所の住人が何かする前に、インタビューして脱出だよ〜」


・・

・・・


「待て…それって…」

俺は桜庭に話を聞こうとしたが

「合図としての役割もあるけど、これやれば、近所の人警察呼ぶでしょ?」


嵌められた…俺はそう思った…


近所の住人に俺の姿は見られている

なぜここに来たのかを尋ねられれば…容疑者に会おうとしていた事になるし…

それを言って信じられなくても…廃ビルと言う誰かが所有する施設を傷つけたのだ


それなりの軽犯罪だ…


「さあ、どんどん行くよ〜」


桜庭が俺の目の前をどんどん進んでいく…


まあ、捕まらなければ良い話だ

俺は自分にそう言い聞かせ、桜庭のあとをついて歩…

「待て!!」

俺は桜庭の襟首をつかむ!!


「げぼっ…いきなり何するんだよ〜」

「護衛で来てんだから、無防備に先に行くな」

俺はそう言いながら、しゃがむと人差し指で足首の高さ辺りを指で弾く…


ピーン…


糸が弾かれ…端のピンが引き抜け…隣のドアから太い木釘の刺さったベッドが強い勢いで飛び出てきた

ズゴン…壁にぶつかったベッドを見た桜庭は…青い顔をしていた…


「止めないで欲しかったか?」

俺は冗談めいた顔でそう言うと…


桜庭は、顔を横に力一杯振った


「簡単に会えそうにねぇな」

俺は肩をコキコキと鳴らす…まあ、そう簡単に済むとは思ってなかったし…俺は桜庭を肩に背負うと…


「えっ…あ…どっ…どうするのかな…急に僕を担いで…」

もし、こんな罠をほかにも準備しているなら…いや、している!!


こんな罠を準備しているということは…いつ逃げ出してもおかしくない!!

「生きていたかったら、ジタバタするなよ」

俺は桜庭にそう言うと、足に力を込めた!!


「ちょっ…怖っ!!」


俺は的確に、罠を見抜き、それを回避して進む…だが、それでも、いくつかの手動の罠もあり…正確には、回避するのに手間のかかるものもあったので、それは、発動させながら、俺は奴を追い詰めた…


俺はここに居る


俺はここに居るぞ



俺はもうすぐお前のもとに手が届く…


罠の発動する位置が、お前を追い詰める者のいる位置だ…


音がしないと思っても…急に先の罠が動く恐怖…


さあ…尾田…話を聞こうか…


俺は…人が部屋に閉じこもる音を聞いた…


「そこにいるのか…」


「ふぇ?尾田君?」

無意識に、口が動いたらしい…

「ああ、たぶん、そうだろうよ、良いと言うまで少し黙っていろ」

桜庭にそう命令した俺は、最後まで気を抜かず、奴が閉じこもっているドアの前に立つ…


そして…俺は…その扉の隣の部屋へと歩き…桜庭がそっちの部屋じゃないと目で訴えたが、俺は隣の部屋の扉を蹴り破る!!

そこはただの空き部屋、誰もいない…

隣の部屋では、慌てる音が聞こえるが、すぐに静かになる…


まだ大丈夫だと考えているのか?

お笑い草だな…俺は、奴がいる部屋の壁に手で触れると…一気に反転して、蹴りを壁に叩きこむ!!


ドカッー!!!俺の蹴りは、壁に人が通れる穴を作った

「あっ…」

俺の方で桜庭が間抜けな声を出す…


「壁を壊した…だと…」

壁の向こうから尾田と思われる声が聞こえた

暗室らしく…窓のない暗い部屋だった…


「さあ、ご対面といこうじゃねーか」

俺は、部屋の中へと入って行った。


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