61.尾田
「尾田の居場所が分かったって…」
「もちろん、この情報は有力な筋から得た情報で、まだ警察にも手に入れていない情報なんだよ」
真偽は定かではないが…有力な情報らしい…
まだ警察も手に入れていない情報…舞華の事件とは別に…先輩の事の手がかり…
「なんで…俺にその話をするんだよ?別に…一人で勝手に行っても…」
俺はすぐにその情報を聞きたかったが、考えてみれば…おかしい…
何で俺にそれを教えようとするのか…俺に言ったところで…
何か…条件があるはずだ…
「もちろん、ただじゃない」
やはり…交換条件があったか…
「僕を護衛して欲しいんだ」
・・・・・・
・・・・
・・
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「はぁ?護衛?」
「当たり前だろ!!相手は…前に会った事があるけどさ…脱走して、追い詰められているんだよ…取材しても…万が一のことがあったら…」
なんだ…自分の身を守りたくって…俺を誘ったのか?
「もし…万が一のことがあったら…誰も彼を庇えなくなるじゃないか!!」
予想外の答えだった…庇えなくなるって…なんだよこの男…
守りたいのは自分じゃなくって…尾田ってことかよ…
「まあ…その言葉が嘘か本当かわからないが…良いぜ…」
まあ…どの道…先輩の事を知らなきゃいけない…どっちの事件であれ…尾田は冥乃の事も知っているはずだ…
そして…先輩の死因も…なぜ…先輩を殺そうとしたのか?
「ありがとう!!助かったよ」
俺の返事に桜庭は小躍りしながら、メモを俺に書き渡した。
「とりあえず、明日の10時にホロウで落ち合おう」
桜庭はそう言うと、公園から走り去ろうとして、立ち止まると
「頼まれたこともしっかり調べとくから、明日よろしく!」
走り去った。