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47.つくづく…俺は不運だ

俺は…ポイズンソーダーの入った袋を冷蔵庫に無造作に放り込んだ

「あら?雅春遅かったわね?」

丁度そのとき…風呂上りの母さんに会ったが…俺は…ため息混じりに母さんに話しかけた。

「まぁ…ちょっと、野暮用があったんだけどさ…その前に…母さん…なんでバスローブを着ながら歩き回っているんだ?」

「えっ?似合わないかな?」

ピンクのバスローブを母さんはキョロキョロ見て…

「別に、似合っているから良いじゃない〜ほら、くるりっと!!」

目の前で、母さんはくるっと回った!!裾がふんわりと浮く!!

「母さん!!ちょっと!!バスローブが!!変なの見えるから!!止めてくれ!!」

変に着崩れを起こして、俺は眼をそむけた…が…母さんは…なぜか顔を俯けながら…肩を震わせていた…

「変なのって…何よ…昔の服が見つかったらか着てみただけなのに…変なのって…」

やばい!!なんか…本気で怒らせたような…

「いや!!別に…変とかじゃなくって…ただ…恥ずかしいんだ!!

ほら!!俺って年頃だろ?だからさ…つい、異性に…過剰反応しちゃって…」

俺はとことん母さんに言い訳をした!!なぜって…昨日の事で…母さんは直接打撃の方が怖いって理解したからさ!!臆病者?ふざけるな!!獅子の前でシマウマの肉を背負って寝ている気分なんだぞ!!そんな風に、俺自身にも言い訳をしていると、さっきまで、肩を震わせていた母さんが、笑い出した。

「雅春、なにを言っているの〜マジで可笑しいわ」

なんだか解らないが、母さんの機嫌が直った…俺は安堵の息を…

「アンタ、小学生まで、私とお風呂に入っていたでしょう?」

俺は…その母の発言に…呆然と口をあけた…

あれ?何を言っているんですか〜おっ…俺が小学生まで…母さんと風呂に入っていた記憶なんて…記憶なんて…

「そのときのアンタは、なぜか私の事を母さんと呼ばずにお姉ちゃんって呼んで甘えてきてたのよ?」

頭が痛くなってきた…思い出しちゃいけない…忘れろって…本能が言っている気が…

「あの時のアンタは…本当に私を母さんと思わなかったわね〜

お姉ちゃんといつか結婚するとか〜もう、母さん育て方間違えたかなって…あら?雅春?顔色が悪いわよ?」

思い出してしまった…俺は…小学校の3年まで…母さんを姉さんって…勘違いしていた…

たしか…そう…近所のおばさんが…母親のいない俺を可哀想だと、面倒を見てくれている姉ちゃんとか…話されたことがあって…そのあと…親父に…

“姉ちゃんと結婚する〜”とか言ったら…

“姉ちゃん?姉ちゃんって誰だい?”

“姉ちゃんは、姉ちゃんだよ!!春夏お姉ちゃん!!”

そのあと…俺は…なぜか宙を舞った記憶がある…いや…俺が宙を待っているのを見た記憶が…あれ?…なんで俺にそんな記憶が?

「まったく〜年頃って〜母さんの体なんだから〜もうおばさんでしょ〜」

いえ、見た目が…明らかに変化してません…むしろ…これ以上いくと…俺が兄に見られるかもしれない勢いです!!って言うか…高校生って言われてもおかしくない…

妖怪か?と思わせるぐらいです!サー!!

「うふっ…いま私の事褒めてくれたでしょ〜生意気だな〜コイツ〜えい!!」

母さんが、俺の鼻を突く…そのとき…母さんの胸元が見え…目の前が真っ暗になった…

それどころか…体に力が…入らない…何が…

「春夏!!大丈夫!!雅春に何もされなかった?」

あっ…もういいです…わかりました…親父ですね…このパターンですか…

そう言えば…姉ちゃんじゃないと証明された時も…変な書類をさんざん見せられたな…

「もちろん大丈夫よ〜雅春が色気づく日が近いと考えていたところよ〜

それに…私は雅春さん一筋なんだから…私は、貴方の腕の中だけでしか…もう安心出来ないのよ…ちゃんと責任取ってよね?」なんか…置き去りにされるような気がしてきた…

「もちろんだよ…春夏」ああ…二人の足音が遠ざかる…放置プレイですか…はい…別にいいです…痛くもないので…ただ…冬の台所の床は…冷たいで…んっ?

急に体に力がみなぎる…それに視界も…クリアに…俺は頭を触ると…針が刺さっていた…

確かこの位置は…体の機能と落とし体力を回復させるとか言うつぼの位置だっけ?

まったく…親父の奴…なんで…こんな気配りまでするんだろう…

「まあ…あとで、礼は言うとして…」

俺は…自分の服に付いている…生還の代償の臭いを…落とす為に風呂場に向かった…

ああ、体が軽い…早く風呂に入ってすっきりと…

俺は…風呂場のドアを開けた…中に誰が居るのかを確認せずに…

そして、俺は最終的に…最近御約束になりつつある…床で眠らされた…武力で…




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