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38.銀色の刃


「これは…あの後に取材した男から聞いた話だけど…

その人物は、警察に発砲されそうになって、訴えようと考えているんだ」

警察にね…そう言えば、昨日、そんな音を聞いた覚えがあるな…

「まあ、その人は、日頃から警察に恨みがあってね…

この事で、本を書く事を決めたんだけど…なぜ、彼が今回発砲されそうになったのかを聞いたら、気を失って、倒れていたらしいんだよ」

「暴漢にでも襲われたのか?それとも、何かの病気でか?」

この近所だったら…俺も警戒して、被害を食い止めないと…

「実は、違うんだよ…彼はね…声を聞いたらしいんだ」

「声?」

「ああ、とても苦しい声を…」

俺は息を呑んだ…まさか…大掛かりな犯罪を目撃した?

「まあ、今から話す事は…他言しちゃいけないんだけどさ〜

君にだから話すんだよ…その声は…“連子が死んだ”“殺す、殺す”“憎い、憎い”“護れなかった、殺してしまった”そう聞こえらしいんだよ」

俺は、桜庭をにらみつけた

「冗談だろ?なんで…ここで…先輩の名前が出るんだよ!!」

俺に睨まれながら、桜庭は肩を軽く上げると

「さあ〜彼は酒を飲んでいたらしいからね〜信憑性は無いけど…僕も、鷲見君の名前が出たからびっくりだよ」

「それからどうなったんだ?」

「まあ、男は其処で立ち止まって、周囲を見回したら、不気味に輝くナイフを持った何かがいたらしんだよ…その後からは腕を斬られたと思い、そのまま気を失ったらしい」

後半は、どこにでもある都市伝説だった…

「まあ、何かしらの事件があった可能性もあるから、君を深夜は気をつけて!」

そう言うと、桜庭は今度こそ、去って行った…

(おい…石…さっきの感覚は何だ?)

(わからぬ…じゃが…あやつ…小僧の発言で、なにかしらの計画をたてているようじゃ)

(俺の発言から?)

(うむ、妾の存在を知っていると判断したようじゃ)

(なんでだ?俺は変な事を言ってないが…)

(…小僧は馬鹿じゃな…)

石が呆れた様にため息を吐く?

(小僧、おぬしの発言を、今一度思い出してみよ)

俺の発言?

(言ったであろう?生物学上ありえない、そして、喋るなんてありえない)

!?

(小僧…なぜ、再会できる石を信じるかで、喋るとかを質問するんじゃ?)

しまった…俺は、上手く誘導尋問され…喋った様なものだった…

(じゃが…それを知っていて…あの男は、小僧を問い詰めなかった…これはどう言う事じゃ?)

確かにそうだ…なぜ…聞いたのに…

(まあ、別に良いだろう?深く考えすぎだったと考えても良いんだし…

生物学上って言っても…お前の伝説は、生きた人間が、待ち続けて、変化していく伝説だし…喋らなきゃ、意思疎通は出来ない…深く考えすぎたんだろう?)

(そうじゃと良いんじゃがな…)

(むしろ、お前のような存在がわかれば、特ダネの大スクープだろ?)

俺はそう言って、自分を納得させた。

(それより…さっきの男の話だけど…お前はどう思う?)

(あの愚かな話か?と言いたいのじゃが…この町…妾に似た何かを感じる)

(お前に似た何か?)

(うむ、妾は再会を司るじゃが、これ以外にも様々な力を持った者がいた)

俺は、少し黙って…考えた

こいつ以外の力…まあ…こう言う存在が一つではないのは…考えられるが…

(種類は、いろいろあるの…空を飛ぶ事を司るとか、守護を司る、幸運を司る、試練を司る…数えたらきりがない…)

(どっかの漫画みたいな設定だな)

(まあ、現実と思っている世界が、狭かっただけじゃ…まあ…妾たちは、共に干渉せぬように、存在し続けておるが…たまに、出会うときがある…妾も、二、三度近くで不思議な出来事が起こった…その時の感覚に似ておる…)

(つまり…もしかしたら…そいつが先輩の死について何か知っているかもしれないのか?)

(おそらくじゃがな…じゃが…妾のような石の様な姿をしているかもしれんし、そうではなく…人の形をしているのかもしれない)

(人の形!?そんなんで…ばれたりしないのか?)

(わからぬ…何かの力が関わっているのかもしれん…今回がそうとも限らない…妾たちは、多種多様で様々な生き方をしているのじゃ!)

実は、この世の中は、大量の化け物が人間として振舞っているんじゃないのかと不安になった。

(じゃあ…先輩の不審な死に方も…)

(うむ…妾のような力の持ち主が関わっている可能性がある)

俺は…その答えに…歓喜した…



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