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36.放課後

あの二人が駄目だと…他に可能性のある人物は…

俺は授業中その事をずっと考えていた。

尾田に面識のある人物…教師…駄目だ…

そんな事を聞いたら…変に思われる。

部外者…知らない奴に聞いても無駄…奴が入院していた病院…

駄目だ、守秘義務がある。

関係者で…こんな事を聞いても、不審に思わない奴…もしくは、思っても何しない奴…

(そんな都合の良い存在なんているはず無かろう?)

石が俺の心に話しかけてきた。

(世の中絶対は無い…だが…そんな都合の良い人物を思い出せるかに…)

「おい!!お前!!なんでボクだけ呼ばれて、お前は呼ばれないんだよ!!」

いつの間にか授業も終わり、HRも終わっていた。

「別に、ここの担任のしたことで、俺のせいじゃねぇ…」

「なんだよそれ!!ボクが聞きたいのはそんな答えじゃない!!

ボクに言う事があるだろう!!」

はぁ?なにを言っているんだこのチビ?お前に言いたいこと…そうか、同情して欲しかったのか〜

「運が悪かったな、犬に噛まれたと思って、永遠に覚えていろ」

「犬に噛まれたら、普通忘れないし…うん…その言い方で、あっていると思うけど…普通忘れろとが!!ごめんなさいって言うだろ!!」

「はぁ?何で謝らないといけないんだ?」

俺がそう言うと、朽木姉は、深くため息を吐き…

「ボクだけが怒られたんだよ!!あの脂ぎった教育指導の奴に…ねちねちと身長の事を馬鹿にされ…ボクは悔しくて…悔しくて…舞華を見習えって…」

俺は舞華を見る…疲れたかのように肩を落としている…

「ボクは…舞華と双子なのに…」

俺は、朽木姉の肩に手を置いた。

「双子って関係ないだろ?朽木姉は朽木姉で、舞華は舞華なんだ」

そう言うと、舞華は顔を俯けた。ただでさえ小さいのに、こうなったら表情が読めない

「でも…ボクは…ボクは…」

朽木姉の肩が震える

「別に、お前が、舞華の真似をしたところで、お前は、舞華になれない

お前は朽木姉でしかないんだ」

「でも…でも…」

ああ、うぜぇ!!

「いい加減ぐだぐだ言うのは止めろ!!

お前は確かに、舞華と違って、頭も悪ければ、力も無い!!

だけど…お前は、料理が出来る、努力が出来る、それに…元気が良いところが、可愛いじゃないか」

朽木姉が顔を上げる…その目には、うっすらと涙が溜まっていた。

「本当?ボクって…可愛い?

黙っている方がとかじゃなくって…今のボクのままで…可愛い?」

あれ?何でか顔が紅くなって…俺って…何か恥ずかしいようなセリフ…しまった!!

元気が良いところ…って…言っちまった!!

いつもなら、この部分は黙っているのに!!

「ねぇ…ボクって…このままで良いのかな?」

えっ…あっ…なんか…ヤバイ予感がする…話を逸らさないと…

「私は…いつまで、この状況を見ていれば良いんだ?」

それは、まさに天の助けの言葉だった!!

「うわぁ!?」

舞華の言葉に、朽木姉は急に現実帰還し、舞華と目が合う…

「目の前で、いちゃいちゃされるのは…はっきり言って困るんだ…」

「べっ、別に、いちゃいちゃしていたわけじゃ…ボクは…その…」

なんだか良く解らないが、いままでの空気が一気に消えたのを感じ俺は安堵の息を吐いたが!!

「それに…雅!!私の料理が下手だと言ったな!!」

急に俺へ矛先が変わった!?

そんな事言ってないのに、下手って言った事になっているだと!?

「それに、ボクは可愛いんだぞ!!コイツが言ったんだからな!!」

「雅…私は可愛くないのか?

私は…刹那と違って…可愛くないか?」

女の涙は反則だ…このとき…本気でそう思った…



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