34.なぜ、俺は責められる?
俺は…痛い体を行使し…やっと、学校に着いた…
俺の悲鳴で一階にからやって来た親父が、母さんを止め…それでも、親父を投げ飛ばしてまで、俺に突撃してきた…親父が、逃げろと叫ばなければ…俺は確実に…
おそらく、帰ったら誤解が解けていると思うが…
「雅…大丈夫か?昨日よりも…疲れているようだが…」
教室の机に倒れ伏せた瞬間、昨日と同じ様に、舞華に話しかけられた
「ああ…あ?…どうしたんだ…その頭?」
俺が顔を上げ、舞華を見ると…なぜか頭に包帯を巻かれていた。
「昨日、道場で稽古していたら…刹那の一撃と私の一撃がぶつかって…同時に失神したんだ」
「あの朽木姉に、気を失わされたのか…」
攻撃力は、ほぼ無いはずだが…朽木姉め…新しい技を習得したのか?
「まあ…水月に上手く入って…体をくの字に曲がった瞬間に頭がぶつかって…」
「そうか…大丈夫か?」
俺は、頭を撫でようとして、手を伸ばしたが、なぜか、舞華が眼を閉じたので手を止めた
「頭の怪我だから、触らない方が良いな」
俺は、手を戻そうとしたが…
「構わん!!別に異常も無かった…から…撫でてくれないか?」
「そっ…そうか?」
俺はそう言い、舞華の頭に再び手を伸ばした。
綺麗な触り心地だった…
「思ったより…良い手触りだな」
俺は思ったことを口にすると…
「べっ…別に普通だ…なんの変わった事は…していない…」
舞華は眼を閉じ、体を屈め、俺の机に頭を乗せ撫でやすい姿勢になる。
(ひそひそ、今日は舞華さんを!!ひそひそ)
(ひそひそ…ああ、可愛い〜舞華ちゃん…まるで大型の犬みたいだ…ひそひそ)
(ひそ、ああ…今日パス…チビ派だから、ひそ)
(ひぞ、此処にロリコンが居ます!ひそ)
なんか…周囲が騒がしかったが…
「なにやってんだ!!!!!!」
更に五月蝿い奴が、頭に包帯をつけてこの教室に現われた
「朽木姉…もうすぐ、予鈴なるのに、何しに来たんだ?」
「うるさい!!ボクの事よりも…なんで頭を撫でているんだよ!!」
「はぁ?それがどうしたんだ?」
俺が舞華の頭を撫でて何か問題があるのか?
「別に、私が許可したんだ…雅…手が止まっている」
「ああ」
俺は舞華に言われ、手を動かした。
「はぁ〜♪」舞華が気持ち良さそうな声を出した
「くぁ!!!!!」
それとは対象に、朽木姉はまた吼えたが…なぜ吼えるんだ?
(修羅場だ!!)(くそ〜可愛すぎる!!)(刹那ちゃ〜ん)
(頭を撫でてやりてぇ!!)(抜け駆けするな!!)
なんだか周囲も、騒がしく、男子どもが、取っ組み合いを始めだした。
「なんで、そんな風に朽木姉は吼えるんだ?」
「それは…うっ…」
何か言い難そうに、朽木姉が戸惑う…まあ良く解らないが…
「おい、ちょっと、こっちに来い」
俺は朽木姉を手招きした。
「なっ…なんで、ボクが動かないと…」
「いや、俺はいま、舞華の頭を撫でているから動けない」
朽木姉が顔を真っ赤にさせ、地面を蹴ると、しぶしぶ、俺の近くに来た。
「まあ、良く解らんが、お前も頭を打ったんだろ?大丈夫か?」
俺は朽木姉の頭を撫でると、なぜかさっきよりも顔が赤くなった…
(あの野郎!!両手に花か!!)(おっ…アイツ!!)(刹那ちゃん!!)
(上手くやったわね…まさか、天然で頭を撫でるなんて…)
(くっ!!奴は素で女たらしか!!)
「みなさん!!おはよう…ご…ざいま…す?」
いつの間にかやって来た教師が、俺を見て固まる
「なにをやっているんです?」
「頭を撫でてます」
俺は頭を机に乗せながらそう答えた…
「はにゃ〜♪」
「ふしゃ〜♪」
席に着けよ、教室に帰れよ…俺はそう思いながら…
「手が止まっている!!」
「手!!」
二人に怒鳴られ、俺は再び手を動かした…