10.歓迎
一階に降りると…台所では…その日の内に準備したとは思えないほどのご馳走が準備されていた。
「雅春、遅〜い、腕によりをかけて作ったんだから!!冷めない内に席に着いて!!」
親父がそう言いながら、俺に早く席に付くように指示する…
「そうよ、雅春!!雅継さんが頑張って作ってくれたんだから!!冥乃ちゃんも、そんな端っこじゃなくって、お母さんの隣に座って!!」
俺の家では、お祝いの時は、和室の居間に料理を持って来て食事をする。
いつもは、ダイニングで食事をするから、椅子に座るが…今回は座布団で…本来6人で座るような大きな机で…食事をする。
「雅春くん…コップを…」
俺はそう言われ、その声の方向を見ると、冥乃ちゃんがオレンヂジュースの瓶を持ちながら、俺にコップを出すように見ていた
「あっ…ありがとう」
俺のコップにオレンヂジュースが注がれる
その瞬間、親父が立ち上がり…
「じゃあ〜皆に飲み物が行き渡った所で…冥乃ちゃん!!我が家にようこそ!!これからよろしく!!」
その合図と共に、母さんがクラッカーを鳴らした!!
「さあ、冥乃ちゃん!!僕が作ったケーキだよ〜」
ある程度料理を食べた所で、親父が台所からケーキを持ってきた。
ケーキにはチョコでようこそ!!新しい娘
と書かれていて、それを見た冥乃ちゃんは顔を紅くして…
「まだ…私…」
と冥乃ちゃんが何かを言いかけたが…母さんがそれを止め…
「例え、娘じゃなくても…もう貴方は、私たちの家族なんだから!!」
と笑いながら母さんが言うと…冥乃ちゃんは顔をうつむかせ…
「…ありがとう…ござい…ます…」
と涙を流しながら…可弱い声で…そう呟いた…。
「じゃあ、ケーキを切るよ」
俺は母さんからナイフを貰うとケーキを切り出した
「ごめんね…雅春…春夏が何かを切ろうとすると…変になるからね〜」
俺はケーキを均等に4等分して…更に其れを半分にした。
「一人二つで、一個はいま食べてもいいけど…明日に回しても良い…特に母さん!!体重を気にするなら、明日にしなさい」
「えー、雅春なに、それ!!まるで私が…太っているって…言いたいの!!」
母さんが俺にフォークを向けながら怒る…
「母さん!!怖いからフォークを向けるな!!」
と母さんをなだめようとするが…
「いえ、これは、雅春さんの方が悪いです!!女性の体重の事をとやかく言うなんて!!」
と思わぬ冥乃ちゃんの追加攻撃!?
「それに…その言い方は…私に太っても良いと言う事ですか!!」
「そうよね〜私ばかりに言うなんて!!愛が足りないわ!!」
俺はすごむ二人に…恐れをなして逃げようとしたが…いつの間にか背後に親父が居て…
「雅春…失敗に逃げちゃ駄目だよ、失敗はちゃんと償わないと身につかないから…ごめんね、逃がせないよ」
そう言いながら俺が逃げないように牽制してきた!
「そう言いながら…ここで怒りを発散させないと、母さんの機嫌が治まらないからだろう?」
俺は顔を引き攣らせながら親父にそう言うと…親父は…清清しいまでの笑顔で…
「当たり前じゃないか!怒りに染まった春夏は…恐ろしいんだから!!」
と言い切ったが…俺は…笑った…計画道理だ!!
「貴方もそんなに怒られたかったのね〜良いわよ…懲らしめて…あ・げ・る!!」
「ええ!!なんで!!」
と慌てる親父に…俺はこう言った…
「失敗は、ちゃんと罰を受けて償おうぜ!!」
そして、俺達は…母さんと冥乃ちゃんから攻められた…
まあ、こんな歓迎の仕方も家では、アリだろう…
俺はそう思った




