第一章 1
あまりにも急な発言にクラス中が静まり返った。
いやいや、流石に現実離れしすぎだろ!現に科学で異空間及び異世界の存在なんてないって証明されてたはずだぞ!…ネット情報だけど………まあほんとに異世界なんてものがあるのなら是非行ってみたいが……
「急な話で動揺してしまうと思いますがこれはドッキリでも冗談でもありません。とりあえず今からある程度の説明をするので体育館に来て下さい。」
またも急に口を開いた女性に俺はある程度じゃなく全部教えろよとツッコミたくなったが今は大人しく体育館に行くことにする。正直ほんとに異世界なんてものがあるのかが気になる……
「行くかぁまた階段降りるのかぁ」
「優ぅうう!!!」
俺は1番後ろの窓側の席だから後ろには誰もいないと思ったんだが……
「うわっ!!大地お前なんでここにいるんだよ!?怖いわ!」
「ふははははは!俺は謎多い系男子なのさ!奇想天外!神出鬼没!」
「やかましいわ!というか気分で呼び方変えんの止めろよ!なんかもどかしいわ!」
こいつほんと気分屋過ぎるだろ。
「とりあえずだ!!あのナイスなボディのお姉さんの話信じるか?俺はそれよりあの人に彼氏がいるかの方が気になる……」
お前…そろそろセクハラとかで捕まるんじゃないか?とりあえず早く体育館行くか。
「おいおい無視はやめようぜ~返事くらいしてくれよ。」
「ああ、ごめんそうだった。お前のそのあとの発言が衝撃的で忘れてたわ。」
「衝撃的?いやいや!絶対クラス中の男子が思ってることだって!なあ優ぅお前もそう思うだろ?」
……まあ確かにあの人はなかなか大人しめで出るとこ出てて引っ込むとこ引っ込んでてなかなか可愛いけど……------!!
「どうしたの?何か聞きたいことでもある?」
うわぁああ!!ちょっとチラ見したらお姉さんと見事に目があったぁ!!恥ずかしいぃいい!!
「い、いいいいぇ!んな!な、何もないです!!」
うわぁああめっちゃ噛んだああ!!!恥ずかしい!
「そう?よかった、何でも質問していいのよ?」
いやーもう優しさがつらいです!!
「おやおや~図星のようですな~」
「う、うるせー早く行くぞ!!」
くっそこいつ!後でぶんなぐってやる。
「ははははは~動揺しまくりじゃねえか、そういや今日はテンション低いのな。また違う道使ったのか?結果はどうよ」
こいつ…分かってるくせに…
「俺のテンションで察せよ。案の定何もなかったよ。」
「ったくお前はなー俺に呼び方変えるなって言う前に自分のテンションの変化をどうにかしろよーキャラがぶれっぶれだぞ。」
くっ…何も言い返せませねぇ……
「あ!!やべえ!体育館履き忘れた!!」
「はぁ、ったくお前は相変わらず……やっべぇ俺もだ!!!」
こいつまた忘れたのかと思ってたら自分も両手が空いてることに気づいた。
「やべえぞ!!遅刻する!!というかお前も忘れてんじゃねえか(笑)」
「う、うるせえ!!はぁ!はぁ!疲れた!!」
走りながら話したからさらに疲れた!
教室の少し前に来ると大地が急に止まった。
「!! 止まれ優!!」
「ん!?なんだよ急に!遅刻するだろ!早く」
「教室に何かいる!!」
大地が急に止まったと思ったら何も不思議でないことを口にしだした。
「そりゃまだ教室に誰かいてもそんなに驚くことじゃないだろ。」
「いやそうじゃない!!人間じゃない!!」
「は?お前何言ってんの?ついに本物の馬鹿に……ん…」
教室の中を覗いてみるとそこには俺の知っている人間とは少し、いや大分違う人間らしきものが教室の後ろの方で仁王立ちしていた。