調子に乗りました
本日第一話目!!
翌日、俺は芝刈りにーーー
行くことはなく、俺たちが住んでいる家から少し離れたところに行くことにした。
そこで、俺は壮絶な光景を見てしまう。
そして、その後の行動が俺の未来を大きく変化させるきっかけとなることなど、今の俺にはまだ知る由はなかった。
今日は空は曇っていて、あいにくお出掛け日和とはならないのだが、気分晴らしにはちょうどいいだろう。
ずっとあぜ道を歩いていると、お父さんが作業しているひまわり畑まできた。
そこには、当然のごとくお父さんがいて、俺に気づいたようだ。
「おぉ、コウジ!今日はどうしたんだ?」
「あぁ、ちょっと散歩かな」
「そうか、なら気をつけていくんだぞ!5時には帰るんだぞ!あと、不審者があらーー」
「あぁ、わかったわかった!わかったから大丈夫だって!」
俺は小学生か!そういえば、出かけるとき同じ事をお母さんからしつこく言われたな。面倒くさかったけど、それだけ愛されてるっていうのも嬉しいものだ。
さぁてと、だいぶ奥地まできたな。
俺が視線に捉えたのは、 藁葺きの家がポツンポツンとたっているような、貧しい村だった。
俺の家はまだ豊かなんだろうな、感謝しないと。でも、少し行ってみるか。
そうして俺は村の方へ進んでいった。
村は遠目から見たとおり、貧しそうで、土地も痩せていた。
「おいおい!ふざけてんじゃねぇぞ!」
ん?今声がしたな。そっちに行ってみよう。
俺が声のしたところまで行くと、まだ小さな女の子が、いかつい男の税務官らしき男に髪の毛を引っ張られて泣きながら謝っていた。
「すみません!もう少し待っててください!」
「何日待てば気が済むと思ってんだよコルァ」男は女の子に対し蹴りを入れる。
「きゃっ!やめてください!やめてください!」
「いい叫び声だ。そうだ、俺のおもちゃになってくれれば見逃さんこともない」
男はニヤリとしながらいう。
「ほ、本当ですか?」
え、ちょっと!黙って聞いてればここでお前が、ちょっと待ちな!おじさん。とか行って止めるところだろ?みたいな感じになってるじゃん!!いやいや、俺のステータス見てみろよ。もう、0だぜ!?ほとんど!
あぁ、もうわかったよ!いくぞ!せーの...
「おい、ちょっと待ちな!おじさん!」
「へへへへへ」
無視されたんですけど!?
勇気振り絞ってやっと出た言葉を華麗にスルーされちゃったよ!
え、なんかすごく悲しいんですけど。
「あ、あのー、そこのおじさん」
「あぁん?なんだコルァ」
怖えぇぇぇぇぇぇ!!でも、お母さんの剣幕の方が怖いからまだましだ!
「そ、その女の子を、は、はに...はにゃひたらどうだ?」
……。
うぉぉあぁぁいっ!!
噛んでしまったァァァ!!
かっこいいセリフで噛んでしまった!
どうしよ...
それにおじさん、なんか、笑いこらえちゃってるよ!すっげームカつくんですけど!?
「お、おい...おまえ俺に、プププ...ビビってんのか!?ブワハハハハ」
マジムカつくんですけど!?もういいこうなったら吹っ切れてやる!<
「あー!そうだよ!ビビってるよ!すんげービビってるよ!ちびりそうだよ!」
「ふん、バカバカしい。ところでだ...ここで漏らすなよ?」
「漏らさねぇよ!」
何サラッと心配しちゃってんのこの人!?
一応止めに入ってんだからあんたの敵だよね!
「そんなことはどうでもいい」
「どうでもいいんだ」
「ここでこの事を見たんだから、どうなるか...わかってるよな?」
「わかりません!」
「そうか...ならってわかってないの!?」
なんかノリツッコミされたんだけど!?
敵からノリツッコミとか初めてなんだけど!!
「まぁ、いい。じゃあ思い知らせてやるぜ!死ねぇ!」
ふん、そんなのみきーーー
「グハァッ!!」
れませんでしたー。
クソ、いてーけどこれで女の子から、目が外れたな。
「おい、そこのちびちゃん!今のうちに逃げな!」
「あ、はい!ありがとうございます!」
んー!このセリフ言ってみたかったんだぜ!
「ヒーロー気取りでもしたつもりか?そら」
「ゴハッ!」
くそ!スピードが遅すぎて、目では追えてるのに避けられねぇ!
「こんな蹴りを避けられないやつ、初めて見たわ!ワッハッハッハ」
「う、うるへぇ!」
実際避けられる要素持ってないんですけどね!?
負け惜しみしか出てこねぇよ!
「そらそらそらっ!!」
「グフ!ゲハ!ゴヘ!」
こりゃあ、骨が何本かいっちゃってるな。とかいいつつも、骨折などしていない。ただのでまかせだ。
仕方ない。こうなったら、
『覇気弾』
覇気術をもっているやつなら誰でもできると言われる術である。
効果は、簡単な幻術を見せることができ、一時的に相手の動きを封じる技だという。
「ぐわっ!」
よし、動かなくなった!今のうちに...というか最初からこれ使ってればよかったじゃん!?自分で使ってて情けねぇよ!
「なーんてな」
ニヤリとして、男は覇気を弾き返した。
そして刀を出して、とてつもない速さで向かってきた。
「覇気を使えるようだが、まだまだ弱っちぃんだよ!クソガキがァ!これで死ね!」
うわぁ...やられる!!
お母さん、お父さん!ごめん!俺、ここで死んじゃうよ。
目を閉じて最後の瞬間を待った...。
しかし、それはいつまでたっても来なかった。
俺が目を開けると、誰かに庇われていた。
この匂い……まさか!?
「やらせねぇよ」
庇ってくれたのは、大好きだった父であった。
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