夕食 家族との団欒
ほ、本日7話目!今日はらこれで更新は終わりです。
明日からもまたよろしくお願いします。
「さぁ、コウちゃん!あなた!今日は私自ら料理してあげるわよ!」
「「え?」」
お父さんの顔が青ざめ、そして俺も心の中で止めに入り、とりあえず……どうしよ。
「ま、待て!ウメコ!お前が作ると……その...」
お父さんナイス!
「あぁん?」
いや、お母さんキャラ変わってますよ!?
「も、もっと美味しくなるから、う、嬉しいなぁ...」
お父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!妻には屈強なる戦士といえども、最強の女子力といえども勝てないってのかよ!
後お父さん汗すごいんだけど!?大丈夫?
「あら、そんなことを言ってくれるために私を……もう!あなたってば本当最高っしょ♡」「い、いやぁ、それほどでもぉ」
お父さん負けないでくれ!ここで負けたら……たぶん死ぬ。
「じゃあ、そのイノブー頂戴な?」
「はい」
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
渡しちゃったよ!どうしよ!異世界来てまだ初日で死ぬなんて……
しかも、死因は母親の夕食。切なすぎる...。
お父さんが俺の肩を叩いて耳を貸すようにいう。
「ごめんな……俺にはどうすることもできそうにない。俺が生きて乗り越える自信ないから...ウメコを頼んだ」
「え?」
お父さんから、耳打ちで壮大なこと言われちゃったよ!?やばいよ!
もうお父さん死ぬ前提じゃん!そんなことしたら、家事崩壊の料理か、料理・ 危険の料理しか食べられないじゃん!?そんなのほんとに毎日3食危険な大冒険になっちゃうよ!?
「ん?なに話してるの?」
「「何でもありません!」」
お母さんが...怖い。
思わず、俺とお父さんは敬礼してしまった。
「じゃあ作ってくるわね!楽しみにしててね!」
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
40分後ーーー。
「ほら、出来たわよー」
地獄の時間が始まる。
「わ、わーい……」
あれ?でも、全然失敗した感じはしてない。
イノブーの味噌汁は、とても美味しい味噌の香りが香っている。
イノブーの角煮にしては、タレが効いてそうで肉汁が溢れだし、今にも俺に食べてくれといってきている。そんな感じだ。
それに、ラストオーダーの角煮以外の肉の丸焼きも出てきた。こちらも相当うまそうだ。
おもわず涎がでてきてしまう。
「美味しそう!」
何が家事崩壊スキルだ!全然崩壊してないじゃん!
ん?お父さん……なんでそんなに青ざめてるんだ?
そして、すぐ気づく。その言葉が間違いだったことに...
「でしょ?私張り切っちゃった!」
「「「いただきまーす」」」
まずは、俺は角煮をとって、口に入れた。
その瞬間俺は……冷や汗がだくだく出て、それに、目からも汗が……。
や、やばい...。これはやばいぞ!
何だこの味は!?口に入れた食感はよかった。
が、そこまでだった。角煮のはずだ。なのになぜこんなに...こんなに辛いんだ!!
改めて良く見る。少し黒いのが多いのはペッパーがどっさりかかっていたからである。
それとまさにタレがミスマッチングゥ!!
お父さんはというと、味噌汁を口に入れたまま動いていない。ツンツンと肩をつついたら……気絶してました。
お父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
「どう?美味しいっしょ」
まて。ここでもし俺が「うん!美味しいよ」とか言ったら、「そうっしょ!もうこれ全部食べてもいいんだからね!」って言われるからボツ。しかし、ここでごめん、不味いとでも言った暁には、俺の命は少なくとも残ってないのは確実だ。つまり……
詰んだァァァァァァァァ!!
仕方ない。
「うん!美味しいよ」
「やっぱそうっしょ!これ、全部食べてもいいんだからね!」
イヤァァァァァァァァァァァァ!!
「や、やったー……」
いや、待てよ。丸焼きだったら焼くだけだからそこまでまずくはならないはず。
丸焼きのほうを見ると、肉汁が溢れでて、もう思わず飛びつきたくなる。
覚悟を決め、俺は丸焼きの一部を口に入れた。
また、冷や汗がドバっとでた。丸焼きの肉汁よりも汗が出てるだろ!?これはやばい。何故か口の中がザラザラしている。
なぜこんなに……ただの丸焼きなのに……辛いんだ!!!
「お、お母さん?なんでこんなに辛いのかな?」
「これはね、香辛料を50種くらい練って3日漬けておいたのを塗ったのよ!」
いやいや、無駄な努力ぅぅぅぅぅぅぅ!!
何塗っちゃってんの?もう、いいじゃん!焼くだけで!隠し味のレベル超えてるよ!?
それから1時間かけてようやく完食。
そして自分のベッドで……沈黙した。
お父さんは……ずっと気絶したままだった。
お父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!