家族集合
本日六話目です。
明日からは1話か2話更新くらいになるかなぁとおもいます!
「あ、コウちゃんお父さん帰ってきたよ」
お父さんか、前世での親父は、なにかと好きじゃなかった。いつも俺のことを、兄と比べ、そして蔑むような目で俺を見ていた。
設定では出会い済みなのだろうが、今の俺にとっては初めての出会いであり、少しドキドキしている。
入口まで行くと、そこにはとてもガタイが良いがどことなく優しそうな、そんな感じの男が右手には鋤を、そして左手には……なぜかイノシシのようなものが握られていた。体長1m前後といったところだ。というか、前足がピクピクと動いてる。
おい、まだ生きてるぞ、それ。
「あ、あのさおや、お父さんが左手に持ってるのって...なに?」
すると父は、ニヤリとしながら言う。
「おぉ、コウジ!あぁ、これか?これなら今日俺が畑に農作業をやりに行ったんだが、その時偶然このイノブーが道端で人をドカドカ突き飛ばしてたから俺がやっつけたんだぞ!どうだ、すごいだろ?これ、うまいんだぞぉ」
いや、まてまて。仮に農作業してたとして、まずこんなやつが道端走ってるもんなのか!?だいたい、突き飛ばされた人は今大丈夫なのだろうか。
それに、最後のうまいんだぞぉっていった直後にイノブー顔すげー青ざめたよ!なんかかわいそうだけど……いただきます。
「まぁ、すごいじゃない!さすがあ♡な♡た」
「やめてくれよウメコ!照れるじゃないかぁ」
こっちはこっちでもうラブラブだな。
さて、ちなみにステータスが気になるな。見てみるか。
カゼキリ・ケンジ
Lv/ 368
性別 : 男
種族 : 人間族
HP : 23690/23961
MP : 9161/9161
攻撃 : 8969
防御 : 7681
スピード : 6814
魔法攻撃 : 0
魔法防御 : 0
魔法 なし
武術系スキル
剣術・極 銃術・極 柔術・極 覇気術・極
家事スキル
料理・ 神 洗濯・ 神 掃除・ 神
称号
屈強なる戦士
最強の女子力
息子好き好き大好き
筋肉バカ
もう驚くもんか!絶対驚かねぇぞ!
そうおもっていた筈なんだ。そうおもっていたよ...でもね、口開いたままふさがらないんだけど!?どうしてくれんのケンジさん!
やめてくれない?数値おかしいよあなた。
自覚してます?
てか...うちの両親なんかすごすぎるんですけど!?
伝説の魔導師に屈強なる戦士って、息子の俺に、絶対あの親子の息子だからすごいよ!絶対!なんてプレッシャーがすげーかかるじゃねぇか!
お父さんに関しては、もう家事スキル神ってます...。称号なんてもう最強の女子力だって!もう、あのイノブーがどんな姿となってくるのか怖くて仕方が無いんですけど...。
あの...息子好き好ーーー
あれ、なにか見たかな!目が霞んで...。
筋肉バカなのか!?
最強の女子力なのにか!?ギャップ激しすぎだろ!!
だぁぁ!もう!なんでこんなに突っ込みたくなってしまうんだ!これはステータスが悪い!絶対にステータスのせいだ!
あ、でも魔法は使えないみたいだな。
あれ、なんか勝手にイノブーのステータスまで見えてしまったんだけど...。
イノブー
Lv/200
性別 : ♂
種族 : 獣
HP : 1/5000
MP : 200/300
攻撃 : 3000+500(身体強化中)
防御 :1500+500(身体強化中)
スピード :2000+500(身体強化中)
魔法攻撃 :0
魔法防御 :0
いや、イノブー強っ!!
激強じゃねぇか!すげぇよ!突き上げられた人かわいそうだなぁ。
てか、一体何があった!なぜお前は街中を走ってんだ!?
だがな、今回は相手が悪かったんだ。お前のせいじゃない。
なんたって屈強なる戦士だぜ?筋肉バカだぜ?最強の女子力だぜ?息子好き好ーーー
あれ?いや、今の脳裏によぎったのは、絶対に思い出してはならない呪いだ。だから、気のせいだ。うん。気のせいのはずである。
ともかくだ、お前の命大事に頂いていくぜ。
「さっきから、コウちゃん何をひとりでいってるの?」
「え、いや、なんでもないよ?」
「そう?ならいいんだけどね」
しまった。つい口に出してしまっていたらしい。
「さぁ、コウちゃん!あなた!今日は私自ら料理してあげるわよ!」
「「え?」」
あれ、お父さんの顔が青ざめてきたよ?ちょっと、お母さん、気づいてやって?
あれ、というかなんで青ざめてるんだ?
ん?家事崩壊……
それだけはお願いだからやめてぇぇぇぇぇぇぇ!!