プロローグ~後編~
本日、二話目の投稿です!
「そろそろ話しを進めていいかのぉ」
「あぁ、いいぞ」
「さっきも言ったと思うのじゃが、わしが見守る世界、その名も『サリチュード・ヘブン』じゃ。世界はな、おぬしたちの世界では、そうじゃな、戦国時代みたいな感じじゃろうか。
じゃがな、今、この世界は一国の領主が富を独占しとるんじゃ。」
「それを救えってか?どうやって」
「そうじゃのぉ、一国を征服してみるとかどうじゃ?」
「馬鹿馬鹿しい、俺は俺の身の回りを守るので十分だ」
「そうか、それならそれでよい、とにかく救ってくれればよいのじゃ」
「あぁ、俺は俺のやり方で世界を救ってやるさ」
そういえば、異世界とかだとなんかすごい武器とか魔法とかあるはずだが。
「良い所に気付いたのぉ、そうじゃ、おぬしは、異世界人というからといって全属性が使えるわけではないのじゃがのぉ、属性は、火、水、土、光、闇、無の6属性じゃ」
「そうなのか…って心読んでんじゃねぇ!よし、いくぞー、3,2,1」
光治は跳躍し、神様にすかさずドロップキックが繰り出される。
「ぼごへぶらっ!?」
しまった、顔面に入っちまったなぁ。大丈夫か、アイツ。
「大丈夫じゃわい!ゴフッ…!」
「全然大丈夫じゃないじゃねぇか」
「それよりのぉ」
「ん?どうした?謝らんぞ俺は」
「もうそろそろ話を進めさせてくれぇぇい!!」
「よし、説明の続きをするぞぃ」
「あぁ、頼む」
「先ほど魔法のことを話したが…おぬしは何を習得したい?」
「もちろん全てだ」
「何を言うておるのじゃ、すべては習得できぬというておるじゃろうが」
「やってみなくちゃわからないだろう?」
「はぁ…まったく厄介な奴に目をつけてしまったのぉ」
「ともかくだ、俺はすべてを習得する。でもどうやって習得するんだ?」
「向こうの世界で習得するのじゃ」
それに、俺の知ってる限りだと異世界ってのは『ステータス』の概念とかありそうだな。
「この世界にはステータスという概念は存在せぬのじゃ」
「何だと!?」
ステータスがない世界か、それまたそれで、ありなのか?
「そうじゃのぉ、ではいまからそのステータスを作るというのはどうじゃ?」
「は?そんなことできるのか?」
「出来るぞ!わしは何たって神様じゃからのぉ」
「いまからステータスを俺の分だけ作るということなのか?お前の世界の奴にもステータスは出来るのか?」
「そのことについては安心せい、大丈夫じゃ」
「それならいいが」
「ならば、ステータスと目を閉じて頭の中で唱えてみるのじゃ」
目を閉じてステータスと唱えると様々な情報が映っていた。
カゼキリ・コウジ
Lv/1
性別:男
種族:人間族
HP:6000/6000
MP:30000/30000
攻撃:1
防御:5
スピード:-4
魔法攻撃:0
魔法防御:0
魔法:なし
武術系スキル
剣術・極 銃術・上級 柔術・下級 幻術・極 心理術・極
覇気術・極
家事スキル
料理・危険 洗濯・普通 掃除・ゴミ以下
なんだこのステータスは!?偏りすぎだろ!!HPとMPだけなんでこんな数値多いんだよ!しかもなんというステータスの低さ!?スピード-4ってもう、何もよけられる気しねぇよ!
武術はすごくいいからそこは素直にうれしいが、家事も何とかしてほしかったなぁ。
あれ、目にゴミが…
料理なんて、下手じゃなくて危険だからね!?もうカップ麺作るのさえ怖くなってきたわ!
掃除はゴミを掃除するはずなのに、それ以下なんてもう何をそうじすればいいんだよ!
あれ、目から汗がでてくるがこれは絶対汗だからな!
「おい、くそじじぃ!これはないだろ!」
「ふぉっふぉっふぉっふぉ」
「何しとんじゃお前はぁ!!」
お腹に正拳突きからのジャーマンを繰り出す。
「ぐべへっ!うぎゃぁぁ!!」
「ふぅ、全くあんたって奴は」
「すまんすまん、設定間違えたのじゃ、あ、もう変えられぬから後は頑張るのじゃぞ」
なんだってぇぇぇぇぇ!!
「そしてもう一つ大事なことを言い忘れておった」
「まだあんのかよ」
「少しは我慢せい、これで最後じゃ」
「仕方ない、言ってみろ」
「なぜ、お前は上からなんじゃ」
「いいじゃねぇか、ほら、さっさと話してくれ」
「うむ、この世界は1つの大陸から出来ておる、そして、そこに4つの国があるのじゃ、その国々は極端な気候変化があり、季節は一つの国ずつ、春、夏、秋、冬のような気候となっておるのじゃ」
「日本のように、月日を通して季節が変わるのではなく国ごとに気候が変わっているということだな」
「そうじゃ、理解が早くて助かる。それで、季節が全く違うせいか、そこでしか取れない貴重な食材などがある。それを以前は、物々交換で平和を保ってきていたのじゃが、人間とは欲深い生き物じゃ。その土地を互いに奪おうと戦争を始めよった。国民のことも考えずにじゃ。それを止めてほしいのじゃ。そして、争いを無くし平和な世の中を取り戻してくれ。いま、この国々はそれぞれ『孤独』なのじゃ。」
だから孤独の英語solitude、つまりサリチュードってなわけか。
「そして、あ奴ら4つの国には家宝としているであろうそれぞれの国の刀がある。春、秋、冬はそれぞれ、最強の剣士とされている者に持たせているそうなのじゃが、夏の国の国王は、意地が悪くてのぉ、誰にも持たせとらんのじゃ。それを、おぬしが国王から勝ち取りこの世界の平和を守る手助けをしてくれ。頼んだぞ!」
「はぁ、ったくめんどくせぇなぁ。いいだろう、付き合ってやる!」
「そうか、では、お願いするぞ」
「あぁ」
光治の周りから小さな光がぽつぽつとで始める。
「おっと、そろそろ時間のようじゃ。ステータスの件、すまなかったのぉ」
「あぁ、いいっていいって、気にするな」
「お詫びといってはなんじゃが、お前を普通の家庭の16歳の一人っ子として転生させる」
「おぉ、それは助かるな。転生して食いぶちなしで餓死とか一番最悪だからな」
光の数が増えていくとだんだん視界もぼやけてきた。別れが近いんだな」
「辛いかもしれぬが頑張ってくれ。おぬしはわしらの希望なのじゃからな。困った時は神社へくるのじゃ。困ってなくとも、恩人の年寄りの相手でもしてくれてもいいのじゃがな、ふぉっふぉっふぉ」
「あぁ、ぜひそうさせてもらうよ。あ、待て、じいさんの名前は?そして、なぜ縛られていたんだ?」
「わしの名前はゼクスト。縛られていたのは大人の事情じゃ」
「おい、ちょっとまて!ゼク―――」
光が天へと昇っていき、消えていくと白い部屋で1つのため息がこぼれた。
「いってしまったのぉ…なんかさみしいのぉ」
「そうか、悲しいか。ちょうど良かったな、帰って来てやったぞ」
「そ、その声は…カジスト!」
「あれ、縄がほどけてやがる、また縛られたいようだなぁ…コラ」
「イヤ、モウヤメテ、あ、ちょ、やめ、イヒィィィィィィィン」
天界に甲高い笑い声と老いぼれの悲鳴がさえわたっていた―――。
感想などドンドン宜しくお願いします!
誤字訂正(誤)salitude
(正)solitude