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go home   作者: フラン
8/36

ー7ー



ーとりあえず、これでいいかねぇ。


のんびりと間延びした声。

大助は辺りを見回すが、姿が見つけられない。


ーどこ見とるんじゃ?。こっちじゃ、こっち。


声の主が大助を呼ぶ。

大助は声のする方に近づいていく。少しずつ少しずつ……ゆっくりと。


ーあ、危ないっ。下じゃ、下っ!!。


(……下?)


大助は足元を見た。濡れた草や小枝、それと掌大の石……が、動いた。


「!!。石が動いたっ!!!。」


大助は思ったままを言葉にした。


ー誰が石じゃっ!!。


「石が喋った!!!。」


ーお主……とりあえずわしを持ち上げてくれんかのぉ。


呆れたような声で石(?)が言う。


大助はビビりながらも石(?)を掴んで持ち上げてみた。表面に苔が生え、少しヌルヌルした石……から何かが出てきた。


「うわぁぁぁっ!!。」


大助は慌てて手を離そうとした。


「こ、コレッ!、命の恩人を落とす気かっ!!。掌に乗せんかっ!!。この若造がっ!!。」


石(?)は焦って大声で怒鳴った。よく見ると、その石(?)には手足と尾があり、顔をニョキッと大助に向けている。


(石……じゃなくて………亀?)


大助は観察してみた。確かに亀だ。どう見ても亀だ。


「……か、亀ですか?。」


「亀だが何じゃ?。」


大助が確認の為聞いてみると、石……もとい亀はそう答えた。


「「………………。」」


黙り込む1人と1匹。


「か、亀が喋ったぁ!!。」


大助は何も考えられなくなって、掌の亀をぶん投げた。


「この、バカ者がぁぁぁぁぁっ!!!。」


いきなり投げられた亀は、大きな叫び声をあげながら草むらへ飛んでいった。




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