ー4ー
(!!)
大助は驚きながらも、ゆっくりと音のした草むらに目を向けた。ガサッガサッと音がだんだん近づいてくる。
そしてーーー
ポヨンッ
「……え?」
大助の目の前に、青いプルプルした物体が現れた。
(えっと……スライム?)
青いプルプルした物体(スライム(仮)は、ポヨンポヨンと跳ねながら、大助に近づいてきている。
(ド○クエだと、頭が尖って目と口があるけど……)
スライム(仮)を見つめながら、大助はボーッとそんな事を思っていた。
しかし、次の瞬間……
ドンッ!!
「いってぇぇぇっ!!」
スライム(仮)が勢いよく体当たりしてきたのだ。
「いつつっ……な、なんだコイツ!」
体当たりを喰らい派手に転がった大助は、スライム(仮)を睨み付けた。スライム(仮)は跳ねながら大助に向かってくる。
(スライム(仮)のくせに……このぉ!!)
「うらぁ!!」
大助は向かって来るスライム(仮)を思い切り殴ってみた。
ボヨンッ
「……えっ?」
殴られたスライム(仮)は、全体的にポヨンと波打つばかり。それどころか、大助に向けてまた体当たりをしてきた。
「うっ!!」
腹に体当たりを喰らい、また転がる。
(っつー……どうしろっていうんだよっ!!)
大助は腹を押さえたまま動けない。スライム(仮)はプルプル震えながら大助を見ているようだ。実際、どの部分が目なのかは分からないが……。
(このままじゃマズイ……どうしよう)
大助は考えた。
どうやら殴っても効果はないみたいだ。周りを見回しても石ころや草、折れた枝ぐらいしかなく、武器になりそうもない。持ち物で使えそうな物はzippoライターぐらいだが……。
(確か動物は火を怖がるはす……スライム(仮)は動物じゃないけど……)
そう思いながらも、何もしないよりはと大助はzippoライターの火をつけた。