ー3ー
……どのくらい時間が経ったのだろう。
大助が目を開けると、辺りはだいぶ薄暗くなっていた。
どうやら泣き疲れて眠っていたらしい。
ゆっくりと立ち上がると、体の節々が痛かった。
(……寒い)
大助は両腕を擦った。日が落ち、気温も下がった為か体に冷えを感じた。
大助の服装は長袖の店のロゴが入ったポロシャツにジーンズ。靴はスニーカー。ポケットには、煙草にzippoライター、それとスマホ。
トイレに行くだけだったので軽装だ。
(とりあえず、どこか寒さの凌げるトコを探さないと……)
大助は宛もなく歩き始めた。
30分程歩いただろうか。
辺りは暗くなり、空には星と月が……。
「月が3つって!?」
空を見上げた大助は、ビックリして思わずツッコんだ。
月は1つ……それが当たり前の事。なのに空には3つの月がある……。見間違えでもなんでもない、赤・青・白の月。
大助は何度も目を擦って月を見た。
何度見ても月は3つ。
(なんでなんでなんでなんでっ!?)
「なんでっ!?」
思いが叫びになった。
その瞬間、右後ろの草むらからガサッという音が聞こえた。
大助はよくパニックに陥りますので、お気をつけ下さい。