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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
朝比奈風華の章
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5月1日 朝比奈風華

 5月1日、天候晴れ。

 僕、天塚柊人(あまつかしゅうと)は、朝比奈風華(あさひなかぜはな)さんがどうして不良になりたかったのか。その説明を聞いた。

 何故、新入生の朝比奈風華と波里万里(はりばんり)の2人のうち、風華さんの課題について先に行ったかと言われれば、波里万里の問題が大した問題じゃないからである。波里万里の問題が何なのか、僕は想像出来る。何故なら、それほど大した物じゃなかったから。それ故に僕は朝比奈風華の方を先にしたのである。

 まぁ、どちらも大した問題では無く、どちらが簡単かと言う話なのだが。


 以下はその朝比奈風華がどうして不良の振りをしていたのかを纏めた物である。


『・朝比奈風華はブラコンであった。とは言っても、あくまでも度が過ぎない程度の、幾つになっても兄の事を家族の事を大切に思ってるくらいのブラコンであった。

・彼の兄は友人の勧めによって、不良の道を歩き出してしまった。

・そして、彼の兄の不良の道に憧れた風華は、不良になってしまった。

・ただ、見かけだけ不良の真似をしただけであって、言動や仕草は真似していても、喧嘩は苦手だし、人付き合いだって別に悪くはないらしい』


 つまりは、兄貴に憧れて同じ道を進んだだけ。それだけの話である。

 そんな彼女の問題はどちらかと言えば、演劇なのかも知れない。実際、今後の彼女の課題にする筈であった言葉遣いに何も無かったのだから。不良をする演技を止めさせたのだ。


 これが2つ目の理由である。

 うちの部は学園生活環境部であるが、この部活に来るほとんどの部外者は駄弁り部としての活動を求めてやって来る。そんな人達に対して、朝比奈風華と波里万里のどりらかが相談に適しているのは、どう考えても波里万里の方だろう。

 朝比奈風華は不良として有名なのだから。そんな彼女に相談するくらいならば、優等生らしい波里万里の方を選ぶだろう。後で知ったのだが、実際は波里万里の成績は悪く、朝比奈風華は学年トップ10に入るくらいの優等生なのだそうだ。外見は全く逆だが。


(いや、そう言う人ならば既にもう知り合いに居るか)


 女装をした完璧女性にしか見えない男性、瀬島蒼龍(せじまそうる)。そして男装をし完璧男性にしか見えない女性、大神義愛(おおがみぎあ)

 今年の新入生は会の双子に近いな。まぁ、あの双子にしてみれば同一視される方が迷惑なんだろうけれども。


 まぁ、それよりも今、頭を悩ませている事が1つあるのだけれども。


「さぁ、部長。今日もしっかり駄弁り部としての極意を教えてくださいませ♪」


 目の前に居るのは、髪もしっかりと整え、どこからか調達してきた眼鏡をかけ、さらには興味津々に部長の言う事を聞こうとする部員の姿が……。

 そんなのの真似をしないで欲しい。対応するこっちが疲れるから。


 僕は溜め息を吐きながらそう思った。


「おぉ! それが駄弁り部としての活動に何か関係が!」


 いや、無いから。

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