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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
孔雀小明と天ノ岩常闇の章
27/29

9月18日 __

9月18日、天候晴れ。

 九相図と言う物をご存じでしょうか? 屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を九段階にわけて描いた仏教絵画の事である。


 腐敗によってガスの発生で内部から膨張して、腐乱によって皮膚が破れ壊れ始める。溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだして、死体が腐敗によって溶解していく。死体が青黒くなり、虫がわいて鳥獣に食い荒らされる。

 死体の部位が散乱し、骨だけとなって、最終的には灰へと変わる。


 どんな美女も、醜い老婆も、活発的な少年も、疲れ果てた男性も、その全てが皆等しく虚しく死体となってしまう。

 どんな物だろうとも最期は虚しく、そして皆が皆、灰へと変わる。


 所詮、全ては終わるための真似事。


 『皆違って皆良い』。

 良い言葉だとは思う。どんな物にも個性や個人的な物があり、その全てが一人一人特別であると言う言葉である。

 長所も、短所も、コンプレックスも、性格も。その全てが、その人をその人足らしめている要素なのだと想えば素晴らしい物だと想えよう。


 だが、それも生きている限りの話だ。

 死ねば全員、皆等しく、多少の時間的な誤差はあるにしても全て骨となり、灰へと変わる。


 ――――所詮は死ぬまでの物語。

 終わるまでの物語。


 これは終わるための物語。

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