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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
朝比奈風華の章
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4月9日 4月について

 4月9日、天候くもり時々晴れ。

 4月、それは新しい事が始まる季節。新入学や新入生、新しい事が始まる季節である。うろな町でもその新しさは現れていた。


 4月7日にうろな高校の始業式があり、その翌日のうろな高校の入学式が終わっていた。そして本日は入学式の翌日、4月9日である。まぁ、他に新しい事があるとすればとある新婚夫婦が新しい命を産んだと言う事だろうか。


「『出産おめでとうございます。心の底から御祝福させていただきます(棒)』っと、司先生の送信、っと。えっと、あと渉先生にも出産のメールを送信しておきましょうかね。『子煩悩しすぎないように注意してください。離婚の原因の1つに、子供の溺愛が理由の時もありますから』っと、送信しておこう」


 僕は渉先生と司先生にそれぞれ別のメールを送った。出産の事もちゃんと書いたし、これで十分でしょう。


 そもそも、僕なんかが熱く語ってもあの教師達は心配すると思うからな。僕のキャラではないし、今は家族の時間を邪魔しない程度に適度に見て置くのが一番だろう。


「今はこっちでも、ちゃんとやる事があるからな」


 4月は僕にとっても重要な事がある。4月と言えば、部活動の季節である。新入生の中から部活にとって大切な新入部員獲得のために動く時期である。とは言っても、それは大手の、即戦力が求められる部活や、新入生が入らないと部活の体を成さなくなってしまう弱小部の話であり、部員が居なくてもそれなりに立ちゆく、我がうろな高校学園生活環境部はその範囲に入らない。よって、無駄で体力の使う新入生部員獲得に動かなくて良いのである。


 最も、新しい部員として、今年新入生として入って来た水鏡栗花落(みかがみつゆり)孔雀小明(くじゃくあかり)の両名は参加を希望しているけれども。


 今は部長が僕。副部長を暫定的に日向蓮華さんにお願いしているが、


「……日向さんに副部長挨拶が務まるかどうか」


 激しく疑問が残る。そもそも、彼女は社交性のなさを自分でも欠点としてあげていて、それでもうちの部員として去年、2013年度は行ってくれた。ボランティア活動に関してだけ言えば、既に僕以上の活躍をしている。ボランティアの仲間からも、彼女の活躍は褒められているから折り紙つきである。しかし、かと言ってうちの部のもう1つの活動、駄弁り部の方は彼女には向いていない。質問をされて、「うぅ……」と黙り込んでしまうのが彼女なのだから。最も、それでは今の就職氷河期を乗り越える事は難しいので、社交性に関しては是非とも身に着けて欲しい今後の課題である。


「まぁ、駄弁り部は元々僕が始めて、僕が終わらすために作った活動のような物だ。これを伝統行事や伝統的な作法のように、この部活に残す必要もない、か」


 人にはそれぞれ役目がある。しかし、それを他人に押し付けるのは愚の骨頂。ありがた迷惑この上ない。


「来年は3年生になるし、駄弁り部の方もそろそろ潮時を考えておいた方が良いのかも知れないな」


 と、僕は窓の外で一所懸命、チラシ配りをして部員確保に乗り出している他の部活の活動を見ながらそう思うのであった。

YLさんの出産ネタを使わせていただきました。

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