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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
梅雨降る6月から晴れ渡る7月編(仮)
18/29

6月26日 温泉PR

 6月26日、天候全国的に晴れ。暑い。

 ――――――いつものように暑い日が続いている6月26日の夕暮れ時。

 うろな高校学園生活環境部では、皆で宣伝用のポスターを作っていた。そう、天塚旅館のPR活動である。これは温泉津春日(ゆのつかすが)先生の方から貰って来たものである。どうも最近は、客足が悪いからこそ宣伝用のポスターを作って欲しいんだそうである。だが、軽い気持ちで引き受けたポスター作りと言うのがかなり難しいのである。


 うろな町の鉄道には、温泉快速と言うものがある。うろな線の湯海駅~うろな北線のうろな温泉駅(温泉地)を結ぶ『温泉快速』の運行しているこの路線。うろな町で温泉旅館を求めている方は、温泉快速は全ての車両に個室車両を連結、一時間あたり一本の運行のこの路線を選ぶだろう。

 しかし、件の天塚旅館は、うろな本線より、うろな駅から4駅乗り継いでうろな高原。そのうろな高原より、さらにバスで揺られる事15分。さらにそこから山道を歩く事5分となかなか遠いのである。うろなの『温泉快速』にも当てはまらないし、なかなか難しい。


 既に作られているポスターはあるが、今回はそれとは別のポスターを考えて欲しいのだそうだ。なかなかに難しいな、これは。分かってはいたが。

 まぁ、今は案だけ考えて欲しいとの事だそうで、僕達は作っている。


「で、出来ました!」


 と、蓮華がそう言って僕にポスターを向けて来る。どれどれと、僕は蓮華が考えたポスターを見る。


挿絵(By みてみん)


 ……いや、文字小さいだろう。確かに星は綺麗だけれども、何か違う気がする。


「と言う訳で却下」

「そう、ですか。残念です」


 本当にがっかりと言う形で頭を下げる蓮華。ちなみに今日は皆に手伝ってもらうために1年生達だけでなく、霧島恵美、温泉津=ヒューズベルト=来夏に『DQN's』の2人も企画に参加するように呼んでいる。最も『DQN's』は夏祭りに忙しくて来なかったみたいだけれども。ちなみに水鏡栗花落は文字通り呼んでも居ないから欠席だ。あいつは任せれば良いポスターは出来る。何せ、前のポスターを作ったのはあいつだからだ。なので、今回も水鏡栗花落は外してあるのだ。


「出来ましたよ」

「えぇ、自信作でしょう」

「皆の望む形だと思うわよね」


 と、1年生連中、孔雀小明、朝比奈風華、波里万里の3人がそう言う。おぉ、3人で作っていたのかどんなのか楽しみだと思いつつ、僕は受け取る。


挿絵(By みてみん)


 おぉ、なんかそれっぽい。いかにもポスターな感じがする。まぁ、何か所か手直しは必要だろうが、十分良いだろう。


「良くやったな、3人とも。少し手直しすれば大丈夫そうだ」


 僕がそう言うと、3人はお互いの顔を見つめ合い、笑いあう。


「先輩の助けになれて嬉しいです」

「それもそのはずですけれどもね」

「3人の力は凄いのですよ」


 朝比奈風華と波里万里、最初は険悪だったのにポスターを一緒に作るくらい仲良くなって、部長として僕は嬉しい限りだよ。1年生の結束は固いようだ。


「Hey,シュート! MeもCompleteしましたよ」

「そうか。じゃあ、見せて貰おうかな」


 来夏も出来たらしく、ちょっと見せて貰う。どれどれ……。


挿絵(By みてみん)


 なんだろう。こいつのは。

 一応、この出来に関してはスルーしておこう。なんか反応に困る。


「ま、まぁ、良いんじゃないか。良く出来ていて」

「Oh! そうSayされるとHappyです!」


 まぁ、多分この案は使われないだろう。何せ、どう考えてみてもあの旅館と違う旅館だし。なんか人、映ってるし。ダメだろう。


 ちなみにその後、「やっぱり折角、魔女っぽい格好をした女将が居るんだからこうでしょう!」と出された恵美の案がこれだ。


挿絵(By みてみん)


なんでそんな危ういイラストを採用するんだ、お前は。

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