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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
梅雨降る6月から晴れ渡る7月編(仮)
16/29

6月13日 温泉へのお誘い?

 6月13日、天候雨。

「木下先生、温泉に行きませんか?」


 と温泉津春日(ゆのつかすが)先生はそう言いながら、『天塚旅館の御案内』と書かれたポスターを取り出した。


「天塚旅館……? それってうろな高原の近くにあるとされる温泉旅館だったと聞いた気がしますが……。その温泉旅館に私と、ですか?」


 と、尋ねられた木下真弓先生は嬉しそうな顔でこちらを、春日先生の方を見ていた。


「えぇ。この前、温泉旅館に行って楽しんだと言う知り合いの話を聞きまして。一度行ってみたいと思いまして……。で、いつも苦労してそうな木下先生の疲れを癒して差し上げようかと考えまして」


「春日先生//////」


 と、自分の苦労を理解してくれた温泉津先生に対して、とても嬉しそうな顔で見つめる木下先生。最近は色々と本当に苦労していた木下先生にとって、温泉旅館への誘いはまさしく嬉しい事であった。


「ぜ、是非お願いしたいです! な、なんなら今からでもお願いしたいくらいですよ!」


「少しオーバーな気がしますが……けれどもいきなりそう言われても困りますし……こう言うのは事前準備が必要ですのでそう簡単に決められる事ではない気がしますけれども……」


 そう言って、少し小さめの声でぶつくさと言う春日先生を見て、木下先生もようやくその彼女の言葉の意味を理解するのであった。今日は6月13日の金曜日、そして明日、明後日は休日の土曜日と日曜日。そして春日先生は、その土日の2日で天塚温泉に泊まりに行こうと言っているのである。


『……よ、よし! いくぞ、男、木下真弓の男の意地の見せ所! 今、ここで全てを出しきらせていただきましょう!』


 ゴホン! ゴホン! と数回咳をした後、木下真弓は勇気を鼓舞して春日先生を見つめていた。


「……え、えっと春日せんちぇい!? ちょっと良いでちょうか!?」


 そうやって勇気を出して春日先生に話しかけようとしていたその時、春日先生は「でも……」とそう答えていた。


「やっぱり木下先生と二人旅に出るのだとすれば、横島楓だろうな」


「うぐっ!?」


 と、本人にとって想い出したくもない言葉を言われる木下先生。そしてそのまま春日先生は言葉を言って行く。


「木下先生と横島は切っても切れない関係だし、それをセットにしない事にはまずいでしょう」


「うぐっ!?」


「うろな町でも2人のコンビは有名だし……」


「うっ……」


「だから温泉は2人で行ってくださいね。じゃあね、木下先生」


 そう言って春日先生は、呆けたようにしている木下先生に『天塚旅館の御案内』のポスターを渡して去るのであった。


 数分後、ようやく意識を取り戻した木下先生は溜め息を吐いて、携帯電話を開いた。


「……とりあえず誘うだけ誘うか。あいつも立派な一生徒、だしな」


 木下先生はそう言って、携帯電話の横島楓の場所を押すのであった。

YLさんより、木下真弓先生をお借りしました。

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