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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
神代ひとみの章
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5月25日 幽霊の証明

 5月25日、天候晴れ。

 5月25日は天候に恵まれてしまっている、快晴であった。僕、天塚柊人は神代と神代ひとみについて考えながら歩いていた。


 神代。そいつには実体はない、まさしく幽霊だ。今まで水鏡栗花落に憑りつく事で実体を得て、会話を行っていた。そのおかげで得た情報と言うのはとっても有力な情報が多く、なおかつ悩み事の助けになってくれていた。しかし僕には小説や漫画のような創作物でお馴染みのような幽霊を視るような目は持っていない。それ故に僕は本当に神代が居るとは言えない。

 そして神代ひとみ。彼女は神代しか知らないはずの情報を知っていた。彼女は自分の事を神代だと言い、神代しか知らないはずの情報で僕達を困惑させた。それだけでも驚きだと言うのに神代ひとみと神代が憑りついた水鏡栗花落の2人が居る事が驚きだ。


「幽霊の証明……かよ」


 普通だったらどちらかが嘘なのだが、そんな事を素人である僕が判断出来るはずがない。片方が偽物ならば面白い話だが、どちらも本物、あるいはどちらも偽物だった場合はどう判断を付ければ良いと言う話になってくるし。さて、どうするべきか。


 そう思いながら悩みつつ歩いていると、


「あっ、お兄ちゃん。こんにちは」

「こんにちは、お兄ちゃん」


「あぁ、くるみさんとみるくさん」


 っと、うろな町でも有名な双子の降矢くるみと降矢みるくの2人がぺこりと頭を下げつつ僕に話しかけて来た。相も変わらず双子とか以上に、そっくりすぎる。正直、どっちがくるみで、どっちがみるくかと言われたら分からないくらいそっくりだ。


「なぁ、くるみさん。みるくさん」


「「なーに?」」


「お互いはお互いの事を自分ではないと言う事は分かっている。けれども、それを他人に説明する時はどうやって説明する?」


 この質問は神代をどうやって本物かと説明するかと言う問いにも関わって来る。くるみさんとみるくさんのような双子と、神代と神代ひとみの状況は本質的な意味では似ている。とは言っても、流石に思春期にも入っていないような子供がその答えを知っているとは思ってないけれども。

 案の定、2人は困ったような顔でお互いの顔を見合わせていた。


「みるくが、私じゃない説明?」

「くるみが、私じゃない説明?」


「「そんなの、分かんない」」


「だよなー」


 こんなのは感覚的な問題だ。イモリとヤモリのように水中か陸上かと言った明確な違いがある訳ではないし、第一神代のケースの場合片方は幽霊で確かにそこに居ると言う確証はない。まさしく雲を掴むような話だ。

 そんな話を小学校低学年の子に質問しようとしたのが間違いだった。


「悪い、くるみさんとみるくさん。忘れてくれ。じゃあね」


 僕はそう謝罪の言葉を言って2人から離れようとすると、2人が「「あっ」」と思い出したような口調で大きな声で叫びつつ、


「「けど、神代の事は両方とも本物で、両方とも偽物だよー」」


 と解答した。その答えに、僕は疑問の念を抱かざるを得なかった。

 パッセロさんより、降矢みるくと降矢くるみの2人をお借りしました。

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