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うろな高校駄弁り部Ⅱ  作者: アッキ@瓶の蓋。
朝比奈風華の章
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4月5日 天塚柊人の決意表明

 4月5日、天候雨。

 この世には多くの人間が居て、どんな人間にも悩みがあり、苦悩がある。それは人によって様々である。時にそれは、悩みとは思わない、興味と言う形で現れる事がある。


 恥ずがしがり屋の少女は、人との付き合い方に悩んでいた。

 幽霊に憑りつかれてしまう少女は、自我を持たない事を周囲から心配されていた。

 男装する少女と女装する少年は、家族の仲について憂いていた。

 カメラを持った少女は、自分の名を持つカメラについて興味を示した。

 恋を知らない興味を持てない少女は、神から貰った恋のアイテムを持て余した。

 大人びた少女は、子供ながらの恋心についてドキドキしていた。

 神の生まれ変わりだと言う少女は、悩みを解決しなくても和らげる方法がある事に懐疑的であった。


 とある猫みたいな少女は、恋心を抱いた少年をどうやって結婚するかを悩み。

 とある身体ばかり育った乙女メンタルの先生は、男らしくなるにはどうするかについて考え。

 とある珍しい名前の男性は、自分の名前が浸透しない事について思考した。


 誰もかれもが、人には言えないような、自分でも気づいていないような、そう言った悩みを抱えている。


 それの全てを解決出来るとは流石に思えない。誰かの悩みを解決すると言う事は、それ即ち誰かの人生の行末に関わると言う事である。そんな事を容易に、安易な気持ちで考えてはいけないし、そんな気持ちを持った相手に相談したかと言われれば当人はますます落ち込むだろう。


 だから僕、天塚柊人(あまつかしゅうと)は悩みを解決しない。相談を行わない。

 代わりに自分に出来る形で、悩みについて向き合う事にした。悩みを和らげる。相談では無く、駄弁りと言う形で当人の悩みを軽くする。


 要は手助けだ。相談とはこっちで悩みを解決するので当人の成長には繋がらない場合があるが、駄弁りならば悩みを軽く和らげて当人の成長を促す事が出来る。まさに夢のような方法である。

 とは言っても、それはあくまでも氷山の一角に過ぎない。この世界にはまだまだ混乱があるし、悩みがある。


 この世界に比べたら、狭い場所であるうろな町にさえまだまだ、悩みを抱える者は尽きないし、悩みを抱えている人間がまだ出ていない事だってある。そう、この2014年の春になって新しく、このうろな高校に入ってくる人間だって、そんな人間が新しく入って来る事だろう。別に、うろな高校に入っていない人だって悩みを抱えている訳なのだけれども。


 けれども……そんなうろな悩みを抱えている人達を、少しでも悩みを解決出来れば良いなと思っている。それがうろな高校学園生活環境部、通称うろな高校駄弁り部の部長である天塚柊人の出来る事だと思っているからである。


「以上、天塚柊人の表向きの決意表明でした」


 裏向きでは、出来る限り悩みを抱えている人が来ずに、休みが貰えるように思っています。

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