3話
よろしくお願い申し上げます。
─── ×××××の夢の中。
そこは深い暗闇の中。しかし、妙に癒される。
僕は一体……。
そうか。×××を守ろうとして眠りについていたのか…。?×××って誰だ?
分からない。僕は一体いつから寝ていたんだ?…いや。今も寝てるんだ。それだけはわかる。
何故僕は×××を守ろうとして眠りについたんだ?
何故、何故、何故。
そんな事を考えていたら、幼い少女の声が聞こえてきた。
『いつまで寝ているつもり?』
誰だ。
『我はファナリス。惑星クウァンタの新たな主神。貴方からしたら、惑星・地球のと言ったほうがいいかしら?』
地球の新たな神?地球の最高神は天照神ではないのか?
『貴方…眠りすぎて、ボケボケになったの?』
その声は言った後に、光を発し姿を表した。
(幼女…。)
そう思ったら最後、ハリセンが飛んで来た。
バコっ!
いたっ!
『どいつもこいつ、我は幼女ではない!』
どいつもこいつもって誰かに言われたのか?
『うるさいわね。そこは聞くものじゃないわ。…っとに、話がそれたじゃない。』
そらした当事者が言うなと思わなくもなかったがそこまでにとどめといた。
『貴方…私が今まさに聞いてるって考えないの?』
あっやべっ。そうだった。
『まぁいいわ。それはそうとさっきの疑問の答え。それは貴方の中にあるわ。』
そう言って、ファナリス様は僕の頭に手を乗せて目を閉じた。その瞬間ファナリス様の手が光、僕は意識がと遠くなった。
『早く思い出しなさい。あなたが愛する者が待ってるわよ。』
最後のこの言葉は、僕には聞こえなかった。
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「皆さんお揃いか?」
アウルディスは神殿の一室に向かっていた。
「はい。獣王カルヴァ様、魔王香蘭様、聖王ジュリアス様皆様お待ちです。」
「カルヴァ王も来てるのか。早いな…。」
口を開いたのはこの神殿の神官長を務めるレナである。
この神殿はファナリス様を奉る神殿で、唯一全国不可侵区域に指定されており、神殿含む周辺は、争いや揉め事を持ち込んではならないと全ての国に指定されている。
神殿とその周辺で私闘などしようものなら直ぐに捕まってしまう。勿論、王族も例外ではない。
細かい立派な細工の施された荘厳な扉の真向いに在る、清楚な感じの扉をエルはノックする。
─── コンコン。
「神官長のレナです。グラヴァル帝国皇帝、アウルディス陛下をお連れ致しました。」
数秒後、ドアが開き対応したのは鮮やかな緑の髪をした青年だった。
「お待ち致しておりました。さぁどうぞ。」
通された部屋は、およそ三十畳程のシンプルな部屋だ。その中には先程対応に出た青年と他に2人ほどいた。
「ほっほっ。随分遅い到着よの。お主が呼んでおいて。」
アウルディスが入るなり妖潤な笑みを浮かべるのは、漆黒の髪と瞳を持つ見た目12,3歳位の少女。魔国の王こと魔王香蘭。御歳××9歳。4大国最年長である。
「無茶を言うな。魔王殿や聖王殿と違い私は他力で来ねばならん。」
「ほっほっ。じゃが妾やジュリアスより先に来ておった者がおるぞ。」
アウルディスが言うと、魔王香蘭はそう言って窓際にいる金髪の青年を見た。
「あ?俺か?俺は神殿のすぐ近くに居たからな。ファナリス様の部下に会ったのは。飛竜には俺がこっちに居るって事を伝えて貰うために送った。」
「「「……………。」」」
そう答えたのは、金色が映える鬣のような褐色の良い青年アルマリア王国の国王カルヴァだった。
カルヴァの言葉に3人は呆れた顔になり、かくいう魔王香蘭も若干引いていた。
「…カルヴァ…偶には長期間城に居てやれ…。」
「…アルマリアの宰相の苦労が目に見えるようじゃ…。」
「ドルヴィ君にはそのうち、うちの秘伝の胃薬でもプレゼントしときましょうか…。」
「ん?」
Q.カルヴァ王の種族は一つ所に留まれない性質の種族です。さぁどんな種族でしょう。( ̄▽ ̄)
次回、封印された地へ。