天に等しい巨猿
僕がブレスを撃つ直前に、目の前に転移陣がきらめいた。
「シェリー!」「姫様!」
シェリーは短距離次元跳躍で一気に爺さんの前へ出ると持っていたものをその鼻先に突きつけた。
「この色ですよね?盗まれたという宝玉の色は。」
突きつけたのはリリエルがいつも肩に乗せていた小猿。
「たしかにこの瞳の紫じゃが?」
「宝玉が孵ったんです。竜玉じゃなくて、妖精玉だったのです。この子の親は等天大帝、かつて天に等しいと言われた竜に匹敵する巨猿です。大帝は勇者デストラルと結ばれてサザン王国の始祖となったのではないでしょうか。サザンの民の髪の色がそれを物語っていると思います。」
「そんなことがあるんじゃろうか?」
「竜玉を欲するものは滅ぼします。」
そう言って竜達は帰っていった。
シェリーもルルをつれたリリエルと帰っていった。
「あれら全部がお前の女か?うらやましいやつじゃ。」
隠すつもりもない。が、・・
「着替えをのぞきましたよね。」
「それは男のロマンじゃ。」
「それじゃぁ、素手でやりましょう。」
2万の軍勢が見守る中、僕と爺さんは殴りあった。
「ワシが殴り合ってひきわけたのは初めてじゃ、なかなかやるのぅ。」
「僕と殴り合ってまだしゃべれる爺さんもすごいですよ。」
「ところでワシらはここからどうやって帰ればいいんじゃ?」
「まっすぐ南へ歩いて帰れといいたいんですが、この辺をうろうろされても困ります。」
僕は転移の魔方陣を描いた。
天に斉しい猿ってあれだったりする。




