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ドラゴン食べちゃった  作者: よもぎだんごろう
12才 竜の帝王
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竜の騎士

地の竜の眷属ディラムドンは全力で走っていた。

硬い装甲を誇る体は傷つき、流れ出る血潮がどんどん彼の生命力を奪っていく。

特に肩から突き刺さる飛槍が心臓のすぐ近くまで到達しているのを本能で悟っていた。

後から迫る五つの気配を振り切ろうと茂みを突きぬけた広場に、槍を投じた者達が強者の威圧を放って待っていた。


ひざを折ったディラムドンにキャシーが近寄り、槍を引き抜いた。

小さな精霊達が飛び交いディラムドンの傷を癒していく。



もうすぐ夏至祭りのある日僕たちはタルム村の僕の家をベースにして実習を行っていた。

護衛の人たちを含めて、全員の騎乗竜がそろったとき、村に僕を探すノルト王家の使者が来た。


廻した手紙を全員が理解したことを確認したユリシア先生が僕に問いかけた。

「クリス、どうするつもり?このまま逃げる?それとも帝国に行く?」

「まず、帝国には行かない。キャシーごめんなさい。」

通称キャシーが帝国のエカテリーナ姫。僕たちのメンバーに入ってる。

「断ってくれないと困るわ、私が赤い旗を送ると断れるところって無いから。マリスならルーシーでしょ?断られると思ってノルトに旗を出すのを承諾したんだから。クリスに贈るとは思わなかったけど、どちらにせよ断ってくれないと困るのよ。」

「ほんと困るわよね、シリウスのお嫁さんになれないから。」

ジェシカに茶化されて、キャシーは真っ赤になった。


「ありがとう。じゃあ僕は自分で旗を立てるよ。それでみんなに手伝ってもらいたいんだ。」

「同じやるなら派手なほうがいいぜ。」

「そうね、思いっきりやりましょう。」

僕たちは準備のために四方に散った。


夏至の朝、バイピクスの神殿は近隣諸国からの巡礼者を加え人の波で埋め尽くされた。

北から現れた一団が外門で止まり、一人が空に向かって火球をうち上げた。

並みの魔術士の10倍の大きさの火球は王子の数20をただ一人によって奉納された。

真っ二つに割れた人の海を竜に乗った20騎が進んでいく。

先頭にノルトの深い青に矢で貫かれた金の竜帝をかたちどった旗。

続いて純白の旗を持った騎士が続き、唯一兜を付けない少年が進む。


中門で竜から降りた一行を頭をたれた竜が見送る。

内門では王子自ら火球を一発奉納しなければならない。

王子から放たれたそれは巨大な紫金の玉となった。


そこから先に進む王子と旗手の三人は残された騎士17騎の総量に負けない武威を放ち、皇太子の横の位置に進んだ。


それから式典は例年通りに粛々と進められ、皇太子の白旗はユーロラシア王国の使者に贈られた。

クリス王子の白旗は、人々の予想を覆しエルフ族の使者に贈られたが、クリスたちの武威に打たれて誰も異議を唱えることが出来なかった。


式典が終わると、クリス王子一行は往路と逆に外門まで進み、そこで打ち上げられた20発の巨大な水球によって生じたやさしい雨に人々が気を取られているうちにいつの間にか姿を消していた。


タルム村にて

「シェリー、ルーシーおめでとう。おもしろかったぁ。」

「おつかれ~。」

「クリスかっこよかったよ~。シリウスもだけど。」

「そこでのろけは入れない。」

「みんなりがとう。これで誰も傷つかなかったよ。マリスにはちょっと悪いことしたけどね。」

「いいじゃん。、ふだん独り占めしてるんだから。ところでクリスこれからどうするの?」


 






学院で実力で生徒を選ぶと王族とその関係者ばかりになります。


王族の中でも一の姫は一度赤い旗を別の王族に出さないと自由結婚が出来ません。

ただし、つりあう年頃の相手がいない場合は例外規定があります。


キャシー:ドルマン帝国一の姫 16才 帝国はもっとも強力な国なのでどの国もキャシーの旗を断るとは思われません。コウ爵位のシリウスと一緒になるためには、誰かに旗を断られる必要があります。


ルーシー:ユーロラシア王国王女 13才 マリス大好き


ザガードとシリウスが旗手、祝砲魔法はユリシア院長


ディラムドン 雑食小型亜竜 めったに人に慣れない

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