三つの呪文 原始の魔道書
お題 魔法書の使い方でがんばってみました。
結局ぼく達は部屋をしきって二人で住むことになった。
寮の受付はもう終わっていて、出たほうが住む所がなくなってしまうからだ。
なんだかよくわからないけど、18才になったらぼくはシェリーに責任を取らないといけなくなった。
なんだろう?
ぼくもシェリーも荷物はほとんど無かった。
女の子の荷物ってすごいって聞いてたんだけど。
ぼくの荷物は、素材は有るけど、他は木剣、魔道書、袋の3つだけって言ったらシェリーが魔道書に反応した。
魔道書は魔力を流し込まないと読めないらしい。
だからページをめくることも出来なかったんだ。
魔道書は危険なものもたまに混じっているから、図書館の結界の中で読まないといけないらしい。
シェリーは何でも知っていてうらやましい。
ぼく達は早速図書館に行って、閲覧室の中でシェリーがぼくの魔道書に魔力を流し込んだ。
すると、
周りが急に暗くなって、僕たち二人以外の人の気配が消えた。
本を中心に白い円が描かれ、建物の中だというのに星が見えた。
ものすごい魔力が本を中心に渦巻きやがて一人の女神様のような女の人の姿になった。
その女神さまは優しい声でぼく達に質問した。
「一番美しい呪文は何?一番難しい呪文は何?一番欲しい呪文は何?」
シェリーはぼくに理解できない言葉で3つ答えた。
「********」「**********」「***********」
女神様がにっこり微笑むと、シェリーは三回光りの渦につつまれた。
女神様はぼくに向かって微笑んだ。
「あなたも答えなさい、祝福を上げるから。」
ぼくは呪文なんて知らない。
黙っていると女神様はおっしゃった。
「答えることが出来なければ命をいただくことになります。」
シェリーがなにか叫んでいるけど全く聞こえない。
ぼくは素直に感じたままを答えた。
「一番美しいのは ありがとう 。」「一番難しいのは ごめんなさい 。」「そして一番欲しいのは おかえりなさい 。」
女神様は微笑んだ。
「いいでしょう、あなたにこの本の全ての呪文の祝福をあげましょう。」
ぼくはおじいちゃんがいつも「祝福はもらうな、力は奪い取れ」と言っていたのを思い出した。
「祝福は要りません。」
雷のような音とともに悪鬼となって襲い掛かってきた女神にぼくは無意識に出した紫金の剣、魔力の塊をたたきつけた。
壊れた書見台の上には二つになった魔道書と光る小さな石があった。
3つ目の石で、また少しぼくの胸のあざは大きくなった。
シェリーは書見台を魔法で修理して黙って図書室から早足で出て行った。
噴水の前で追いついたぼくは泣き顔のシェリーに思いっきりひっぱたかれた。
ぼくは口をきいてもらえるまで、3日間謝り続けた。
世界の5箇所で5人が図書室のほうを向き一人が呟いた。
『原始の魔道書が失われた。』
5人のうちなぜ一人が呟いたのかが重要だったりします。
伏線をわざわざ書かないと分からないというのが反省点です。
感想なんでも結構ですのでよろしくお願いいたします。