初めての経験
今回少し遊んでみました。
一人称 俺は誰でしょう。
5行目くらいからお分かりになるかもと思います。
俺は何年ぶりかでこの学院に戻ってきた。
今の学院長は同級生だった魔術士。
知り合いがいるってのはやりにくいんだが、学院長だけなら仕事にプラスに働くだろう。
俺はエルフの精霊術士、ユスラエル公爵の依頼で要人警護を請け負いここにきている。
公爵ほどの立場ならば、自分の部下を派遣するところだが、今回はなにやら理由があるらしい。
依頼内容は、お子様の警備を卒業まで勤め上げること。
毎回良く似た内容で、これに関しては俺の右に出るものは無いと思ってる。
「やあ、ユリシア、久しぶり。また入学するから手続きしてくれや。」
「あなたもう1500才越えてるでしょ?何回目の入学なの?」
「1512才で回数は忘れた。」
「あきれるわねぇ。あなたいつ大人になるのよ。」
そう、俺達エルフは気の遠くなる時間を生きるがその寿命に反比例して繁殖欲がとぼしい。
配偶者を見つけるまでの期間を性別未分化の幼年体で過ごし、相手を見つけて初めて大人になる。
1000才超えてまでお子様なのは俺だけだけどな。
そういうわけで、見かけがお子様な俺は10才くらいの護衛に最適の人材ってやつだ。
「いい女がなかなかいなくってな。」
「ここにいるわよ。」
「マ~リンサマ~って抜けたような声を出してたのはどちらさんでしたっけ?」
「とにかく、護衛対象は誰?準備はどうすればいい?」
「対象は、クリス・デ・マーリン、試験の順番を彼の後にしてくれ他の受験生には見せたくない。それとクラスと寮の部屋を同じにたのむ。あとはかってにやるから。」
俺の前でクリスが試験を受けている。
俺はタリム村で彼の倒した魔獣たちの屍骸を見た。
どうやったら、一撃であんなにきれいに倒せるのか?
クリスが的に向かって構え、立ち上った魔力の炎をおれは見てしまった。
見るもの全ての心をを浄化する紫金の炎、美しい。
その時急に下腹部に鋭い痛みが襲って、それが収まったときにはクリスが剣を持った男に吹っ飛ばされていた。
その男に稲妻が襲いかかり、クリスを癒しの光りが包み込む。大丈夫なようだ。
俺は軽く自分の的に火の玉をぶち当て、入学手続きを終え、入学式もそこそこに宿に戻ってすぐに寝た。
体がだるい。
次の日、授業に出てきた彼とは早速友達になった。
体がだるい。早く寮に帰ろう。
その日俺は生まれてから1512年間で始めての悲鳴を上げた。
クリスが部屋のドアを開けたとき。
俺ことシェリー・リーンは素っ裸だった。
名前は大人用に変えたけど、部屋を変えてもらうのをすっかり忘れていた。
シェリー・リーン
妖精族エルフ 1512才 女性
幼年体が長かったので一人称で俺を使用していた
女性体に成長したので、名をシェリーに改名、言葉遣いも改める。
学生寮
3階建ての小さな建物
大きな玄関を入ると広間になっておりたくさんのドアがある。
ドアを開けると小部屋になっており、もう一度開けなおすと持ち主の部屋に出る。
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次話 感想でいただいたお題 魔道書でがんばってみたいと思います。