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No.90:初めての延長戦

ポッキーの日


『9回の裏、猪子石高校の攻撃は、1番、セカンド、根本くん。』



大場(1番からか。)


西口(打順の巡りは良いみたいだけど、猪子石は下位打線をかなり交代して同点ってのは完全に想定外のはずだ。俺らにも十分チャンスはある。)









スットーン!!!!!


根本『ここでフォーク!?』

ブン!



『空振りの三振!!!!!!9回の裏猪子石高校の先頭打者の根本、空振りの三振!!!!!!!』


西口(翔真先輩、同点になってだいぶ精神的にも解放されたみたいだな。気は抜いちゃいけないけど余裕をもって戦わないとな。)



カキーン!


西口『セカンド!』

副島『任せろ!!!!!』


『一二塁間の難しい打球にうまく足を使って追いついてセカンドゴロ!!!守備が巧いですね!!副島くん!!』



『3番、サード、芝田くん。』


カキーン!


氷室『オーライ!!オーライ!!』


パシッ!


『アウト!!』


『3番の芝田はファーストファールフライでスリーアウト!!夏の全国高等学校愛知県大会準決勝、猪子石高校vs邦南高校の試合は9回で決着つかず、7-7のまま延長戦に突入します!!』




大場『おし!早いうちに勝ち越すぞ!』

『おう!!!!!!!!!!!』



『延長10回の表、邦南高校の攻撃は、3番、ピッチャー、大場くん。』


野中『いい打順からだな。』

川越『ああ。だが邦南の子は延長戦初めてだろ?』

野中『そうだな。ここら辺で真のチーム力が出る。冬を自分達に厳しく過ごしてきた強豪校と、どちらかといえば学業優先の高校。どっちが延長戦で有利かなんてはっきりしてるだろう。まだまだ邦南も絶対に気を抜いちゃあいけない。少しでも抜いたら…一気に持ってかれる可能性もある。』



小木曽(厳しい打順だな。力をセーブしてる余裕もねえか…。)





……


………



『6番の副島はサードゴロでスリーアウト!!延長10回の表、邦南高校、大場のヒットでランナー一人出しましたが後が続かず無得点!!!!!!』










一方の猪子石もランナーは出すもののあと一本が出ず、両チームともほぼ毎回ランナーを出すものの無得点のイニングが続く。そして試合は延長14回の表。








『延長14回の表、邦南高校の攻撃は、4番、キャッチャー、西口くん。』



西口(今日は今のところ一度も塁に出れず今日俺は6タコだ…。4番の俺がもっと打てていれば延長にならずに勝てたかも知れねえ…。)


小木曽(この回を凌げばあとは下位からだ。この回が勝負だ。)


渡辺(さっきの回まででヤスの球数は215球。もう限界値は越えているはずだ。ここまで力を使い続けられる理由は…)


ズバーーーーーッッッッッーッン!!!!


《 145km/h 》


『ストライク!!!!!!』


渡辺(高校生トップレベルピッチャーとしての誇りか。)




鬼頭『おい翔真。すごい汗だな。もう相当キテるな。』

大場『もしかしたら明日再試合かもしれないですし、こんなんで弱音吐いてられないですよ。』

鬼頭『フォームの崩れに自分で気がついて修正に成功したのは流石、中学の頃日本代表のエースだったピッチャーってだけはあるが、もうお前も200球を越えているぞ。』

大場『何が言いたいんですか?』

鬼頭『小木曽と翔真。ここまで来たらどっちが先に力尽きるかだ。この試合はエースに懸かっている。』

大場『そんなの百も承知ですよ。』



ビュッ!!!!

カクッ!

渡辺(カーブの曲がりが早い!!!!)



西口『捉えたぜ!!!』


カッキィィーーッン!!!





『捉えた!!!!!!打球は左中間の真ん中!!!!!!!!破る破る!!!!!!!!猪子石外野陣、少し左中間が開きすぎていた!!!!!!』



西口『やっとでたぜ!!!!!!』


『打った西口は二塁ストップ!!!ツーベースヒット!!!!!!延長14回の表、邦南高校、先頭打者の西口が7打席目で今日初めてのヒットとなるツーベースヒットを放ちノーアウトランナー二塁!!!!!』





『5番、ファースト、氷室くん。』


『さあ5番の氷室はバントの構え。ここは手堅く送ってくるか!?』



コン!



『ファール!!!』



氷室『やっべ。一発で出来なかった。』



慶野『さすがに氷室でもここは緊張するよな…。』


渡辺(もう1球今の球!!)



コン!


『さあこれも決まらずファール!!!!2球連続で失敗してしまった!!これでカウントツーナッシング!!!!さあスリーバントしてくるか!?それとも送るのはやめて強行か!?』



渡辺(ヤスのフィールディングがあればサードでさせる可能性は高い。とりあえずコイツは今焦っている。間を与えたくない。3球で片付けるぞ。最悪ワンナウト三塁でもいい。)




西口(サインはバスター。だが苦し紛れで氷室がうまくバットに当てる可能性は低い。)


『さあ小木曽がセットポジションにつく!!』


西口『ん!?!?』


(((あの握り!!ストレートじゃない!!!おそらくスライダーの握り!!!!!そしてキャッチャーのジェスチャー!!!間違いない!!次のボールはストライクからボールになる低めのスライダー!!!このボールだったら絶対に氷室は打てない!!!空振り三振だろうな。でも俺ならできる!!!!!!)))


『セットポジションから足をあげて投げる!!!!!!!!!』



西口(行くしかねえよな!!!!!!!)


日根野谷『走った!!!!』



『ランナースタートを切った!!!!!!!』


渡辺(なに!?そうきたか!!!!!)


『バッター氷室はバスター!!!!!!』



氷室『スライダー!?バットが止まらない!!!!!!』


ブン!!!!



『ストライク!バッターアウト!!』



副島『氷室は最悪の空振り三振!!!だが…!!』



『キャッチャー渡辺は三塁へ送球!!!!!!!!!!!!』



ズザァァーッッッ!!!!!


『セーフ!!!セーフ!!!!』




『二塁ランナー西口、三盗成功!!!!!!バッター氷室は空振り三振だがワンナウト三塁にした!!!!!!!』




鬼頭『今の西口、ノーサインだろ?』

大場『たぶん氷室が打てないとふんだんだろう。いいプレーだ。今のはデカイ。』




『6番、セカンド、副島くん。』





副島『ナイスだ西口…。待ってろよ。俺が絶対に還してやるからよ!!!!』







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