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No.86:本気


『ボール!カウントツースリー!!!!!!』


『さあ低めの変化球を見分けてフルカウント!!!!猪子石はあと1球で決勝進出!!!!!!!!!!!!』


副島『クソッタレ…負けてたまっか!』



小木曽

(これで…)

『御開きだ!!!!!!!!!!!』


ビュウウウッッッッ!


副島『こりゃあ!』

カーン!


『ファウルボール!』



渡辺(さすがについてくるか…。直球一本攻めは若干リスクが高いな。)




ビュッ!!

ガクッ!


副島『チェンジアップ!』


カーン!

『これも食らいついてファウル!!!!!カウント変わらず!!!!!』



カーン!

『ファウルボール!』

《 145km/h 》


カーン!

『ファウルボール!』

《 119km/h 》



渡辺(困ったときの…)

小木曽(高速スライダー!)


ビュッ!!

ガクウッッッッ!


副島『コイツは俺がさっき打った…』

『高速スライダー!』


渡辺(しまっ…コイツは5回に確かこのヤスのスライダーを打っているんだった!!)


カキーン!

大場『よし!』

西口『ナイバッティン!!!!!』


『捉えた打球は右中間!!!!!!ヒットだ!!!!!!!!ランナー二人還って7-5!!!!!!!打ったバッター副島は一塁ストップ!!!!!』




渡辺(わりぃヤス。俺のリードミスだ。)

小木曽(いいって。まだ2点差だろ。しかもあとひとつ。早く終わらせようとしなくてもいい。こっからは下位打線だ。が、この7番…さっき俺の直球をスタンドまで運んだやつだ。長打だけは注意しないとな。)



『7番、サード、松坂くん。』



鬼頭『ケンちゃん(松坂のアダ名)が打ってくれれば可能性は十分!!』



小木曽(コイツに借りを返す!!!!)


渡辺(コイツはさっきヤスの直球をいとも簡単にスタンドへ運んだことから予想できるのは…ストレートに滅法強いはず。)



小木曽(スライダー?嫌だ。)

渡辺(今日散々捉えられているスライダーは使いたくないか。ならチェンジアップしかないぞ。)



松坂(さっきのホームランで俺を警戒しているはずだ。故にさっき打った球…つまりストレートを初球に放ってくる確率は極めて低い。ならば残るのはスライダーかチェンジアップ。カーブってのも試合前まではあるって聞いていたが今日は使っていない。だからスライダーかチェンジアップの2択。だが…小木曽のスライダーは今日邦南打線はタイミングが合っている。しかもミツルにスライダーを狙い撃ちされたあとの俺の打席。こりゃ…チェンジアップしかないだろ…。ヤマ張るか。まだカウントもまっさらだし。)



『さあ小木曽、セットポジションから投げる!!!!!』


ビュッ!!




渡辺(まじかよ…。これじゃあ…また…)

小木曽(コースが甘い!!さらに…)


((( 完全に読まれてる!?!? )))



松坂『ど真ん中!!!そして予想通りのチェンジアップ!!!!!!いただき!!!!!!!!』


カッキイィィーーッッッィーーッッンッ!!!!!!!!!!!!



『これも完全に捉えた!!!!!!打球は伸びるぞ!!伸びるぞ!!!!入れば同点!!!!!!どうだ!?!?!?』






ガシャンっ!!







『『『フェンスダイレクト!!!!!!!一塁ランナー副島は三塁ストップ!!!!!!打った松坂も悠々セカンドへ!!!!!!!!!』』』



大場『おっしぃーっ!!!』

鬼頭『さすがケンちゃん!!!!!!!』



『最終回、4点を追っていた邦南高校!!!!!二死二三塁からキャプテン副島の2点タイムリーヒットで2点差とした後、7番の今日今大会2本目のホームランを放っている松坂のフェンスダイレクトのツーベースヒットでまたツーアウト二三塁!!!!!!一打同点の大チャンス到来!!!!!!!』




野中『さあここで片野くん(邦南の監督)は動くかな。』

川越『ああ。俺が監督ならそうするな。木村じゃ同点にする可能性は低い。』




片野(邦南野球部監督)

『木村!!交代だ。よく頑張ってくれた。』


木村『はい。小宮、頼んだぜ。』

島谷倫『かっ飛ばしてこい!!!!』

西口『足は、大丈夫なんだな?』


小宮『うん!激しい運動、守備とか走塁とかは難しいかもしれないけど、バッティングならなんとか大丈夫だよ!もう松葉杖も取れたし!!』



西口『そうか!決めてこいよ!!』



小宮『うん!』







『邦南高校、選手の変更をお知らせします。8番、レフト、木村くんに代わりまして、代打、小宮くん。』



野中『やっぱりな。』

川越『ようやく、小宮か。』

野中『お前あんまり小宮のこと知らないだろ。』

川越『まあな。はっはっは。でも…いい打者だろうな。そういうオーラが伝わってくる。もう松葉杖も取れたんだな。』

野中『ああ。ただの軽いヒビだったらしいからな。甲子園に行ければスタメンで上位打線に組んでくるくらいの打者だ。』



渡辺(この場面での代打。左打ちか。体つきも非常に文句のつけがたいバランスのとれた感じだ。確かに良いものはもってそうだが。邦南の代打陣にそう期待できるやつなどいないはずだ。コイツで試合を閉じるぞ。)

小木曽(その言葉、もう何回も聞いた。)


渡辺(まあそう怒るな。行こうぜ、甲子園に!!)


小木曽(当たり前だろ。)




小宮『今週ドラフト1位候補。本格派右腕か。明日のための練習にはもってこいだな。小木曽くん。キミが打てなきゃ、堂金(どうがね)も打てっこないよね。』



小木曽『なんだお前、言ってくれるじゃん。俺が堂金とかいう享神の1年Pに劣っているとでも?』


小宮『そりゃあ…ね。』



小木曽『なめんじゃねえ!!!!!』


ビュウウウッッッッ!!!!


ズバーーーーーッッッッッーッン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


『豪快に空振り!!!!!!!!ストレートに完全に振り遅れた!!!!!!!!!!』



小宮(ずいぶんと速いね…。しかもボールに魂がこもってる…。さすがってとこかな…。)


渡辺『お前、バカだろ。』

小宮『何がです?』


渡辺『マウンド、見てみろよ。』



小宮『ん…。……。…………。』


【【【【 え…。どーゆー状況だよ…。 】】】】



渡辺『アンタが挑発したせいで、ヤス、相当頭にきたみたいだね。』



小宮『で、でも…なんだよこの“殺気”みたいなオーラは!?!?』


小木曽『おい。テメエ。』

小宮『…?』


小木曽『茶化してる暇あったら、本能でかかってこいよ。じゃなきゃお前、ぜってえ負けるぞ。この俺に。』


小宮『なんだ。そーゆーことか。なら話は早い。』



『冗談が通じる相手じゃなかったみたいだね。もちろん、全力でいかせてもらうよ。』



小木曽『挑むところだ。控えのヤローが。』






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