No.84:希望
大場『最大の敵は自分…。俺は今一度自分に負けた。だけど先輩達がそこから俺を救ってくれた。ドロップアウトしかけたときに助けてくれた。』
『もう失うものなんか1つもねえ!!!!!!!俺は俺のピッチングを貫く!!!!』
ズバーーーーーッッッッッーッン!
《 147km/h 》
『ストライク!』
井上(くっ…。)
渡辺『開き直ったか…?』
ズバーーーーーッッッッッーッン!
《 148km/h 》
『井上、振り遅れてツーストライク!!!!!!そして大場はこの場面で148km/h!!!!!!』
西口(落としますよ!翔真先輩!!)
ビュウッ!!!!
井上(3球とも直球なのに撃ち取られてたまるか!!)
ガクウッッッッ!!!!!
井上『なっ…』
(バットがとまんねえ…)
ブン!
『空振りの三振!!!!!!ワンナウトフルベースの大ピンチをウイニングショットのフォークボールで三振に撃ち取ってきた!!!!!』
西口(改めてすげー球だ…。異常なほどのキレでバッターの気づくのが遅れる。ましてストレートとそう大差のないスピード…。)
松坂『ナイピー!ナイピー!ツーアウトな!』
野中『勝ち越されて沈むかと思ってみてたが、持ち直したようだな。』
川越『ああ。どうやらさらに元気になったみたいだな。まだ邦南ナインは諦めてねえ。』
『9番、ショート、日根野谷くん。』
日根野谷(今度こそは…絶対打つ!)
ビュッ!!
日根野谷(この感じ…)
『フォークだ!!!!!!』
ガクウッッッッ!!
日根野谷『予想通り!!』
バン!
『ストライク!!!!』
『空振りでワンストライク!!!!!』
日根野谷『おかしいだろ…。なんだよこの落差…』
(((( 序盤より、変化量増してねえか? ))))
ストン!バン!
『ストライク!!ツー!!』
『今度は見逃してツーストライク!!!!!!!』
西口(あの高めのボールコースから一気に落ちてストライクゾーン低め一杯に入る。すげぇ使いやすい球だ…。)
西口がまた下村フォークのサインを出す。
しかし大場は首を振った。
大場『この1球は絶対にこのボールじゃなきゃダメなんだ!!』
『渾身のストレート!!!!!!!!』
ビュウウウッッッッ!!!!
日根野谷『クソォォォッッ!!!』
ズバーーーーーッッッッッーッン!!!!!
『空振りの三振!!!!!!!!大場翔真、8点目は防いだ!!!!!!!!自己最速タイ、今日10回目の149km/h!!!!!!!!!』
野中『さあしかしこの状況…』
川越『2番から始まるとはいえ…相手が小木曽では…スタミナ切れも9回の時点じゃ期待できないだろ…。』
野中『小木曽はこの時のために余力を残していたしな。』
川越『さあ邦南にとって絶対的に不利な状況…。』
野中『だが、愛農大名林戦で9点ビハインドから逆転したことがあるのも事実。小木曽から4点も無理な話ではない。』
川越『まあどちらにせよ、先頭の慶野が出塁するかしないかで大きく可能性に差がでる。』
ズバーーーーーッッッッッーッン!
『ストライク!』
慶野(なんだよこれ…いくらなんでも…。)
ズバーーーーーッッッッッーッン!
『ストライク!ツー!!』
慶野(速すぎ…ねえか…?)
《 151km/h 》