No.78:展開急転
『5回の表、邦南高校の攻撃は、5番、ファースト、氷室くん。』
氷室『信じられねえよ…。俺がこんな舞台、愛知の準決勝の舞台に5番でスタメン出場…?』
島谷涼『佑介…』
氷室『去年の今ごろ…こんなこと想像できたか…?野球とも出会ってなくて…去年の夏休み、中3で受験生ってこともあったし…家で勉強して、菓子食って、寝て…勉強して…パソコンして…昔からスポーツ自体は好きだったんだけどどれも長続きしなくて…結局中学のときやってた陸上もあんま行かなくなっちまって。ホントに中途半端な人生だった。唯一の取り柄は勉強。そんな俺が…こんな俺が…ここまで来れた…。どんな場面でも…あの頃の中途半端だったオレの人生に比べたら、何十倍、何百倍と楽しいんだよ。だからこの時間は終わらせられねえ…。負けたくねえ。絶対にこの夢のような時間を終わらせてたまるもんか。勝てば続けられる。野球をやってられる。野球を続けられるためにも…』
『絶対に勝つ!!先制のホームは、俺が踏む!!』
カッキィィーーーッッッン!!!!!!!!
小木曽『なにっ!?』
『捉えた当たりはレフトの頭上!!!!!!!越えたーーっ!!!!!!!』
氷室『しゃあ!!!!!!!!』
『打ったバッター氷室は悠々セカンド到達。これでノーアウトランナー二塁、5回の表邦南高校の攻撃。初回の先頭鬼頭以来のランナーです。』
『6番、セカンド、副島くん。』
氷室『キャプテン!続いてくださいね!!』
副島『ったりめーだっ!!』
『イケイケ副島!!押せ押せ副島!!かっ飛ばせ~!!そ・え・じ・ま!!!!!!!!』
『さあ場内の雰囲気も高まってきました!!』
副島『初球はストライクをとりにきやすい…。狙いは勿論…』
ビュッ!
副島『このチェンジアップ!!!!!!!!!!』
カキーーーっン!
『また捉えたーっ!!!!!!!!思いきって引っ張った打球はファースト坂本成生の頭上越える!!!!!!!フェアだ!!!!!!!二塁ランナー氷室が今ホームイン!!!!!!今大会旋風を起こしている邦南高校、強豪猪子石からこの5回、先制点をもぎ取った!!!!!!!!6番副島のライト線際へのタイムリーツーベース!』
大場『ナイバッチ!!キャプテン!』
渡辺(ヤスが先制点取られるなんてな。少しばかり侮っていたよ。邦南の皆さん。ヤス、見せてやれ。)
小木曽(ギアを上げろってか。今日はちょっと早いけどしょうがねえか。出し惜しみしてる場合じゃねえし。)
小木曽(最小失点でこの回を終える!!)
『小木曽がセットポジションから投げる!!!!!!!!』
小木曽『くらえ!!』
カッキィィーーーッッッン!!!!!!!!!!!!!
小木曽『え…?』
ボサッ…
『入ったぁーっっっ!!!!!』
根本『まじかよ…。』
大平『ツーラン…ホームランだと…』
新谷『三点ビハインド…?』
渡辺(つえーぞ…邦南高校…)
大場『頼もしい先輩たちだな。』
『7番、松坂は無表情でダイヤモンドを回って今ホームイン!!!!!!5回の表邦南高校、5番氷室、6番副島の連続二塁打で一点を先制した直後、7番松坂の自身今大会2本目となるツーランホームランでさらに二点を追加し3-0!!!!!!』
渡辺『タイム、お願いします。』
『タイム!!』
『さあここで猪子石の内野陣、1回目の守備のタイムをとります。』
桜沢『おいおい。猪子石負けてんじゃん。しかも三点ビハインド。』
勾城『そのようですね。』
堂金『……。』
桜沢『やっぱ気になるのか…勾城…?』
勾城『ええ。名東黒シャーの同期ですから。嫌でも眼中に入ってきますよ。』
(拓磨…哲都…ここまで来い…。)




