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No.73:スロースターター

西口(この3番の芝田…チームトップの打率を誇る…要注意打者だ。だが次の4番の渡辺も今大会既に5本のホームランを放っている。4番の前にランナーを溜めるのは避けたい…。)



芝田(デカイのは要らない…。ヒット一本でねもちゃん(根本のアダ名)なら還ってこれる。)


小木曽『シングルでオッケーだぞ!大!!』

芝田(わかってるって。ヤス(小木曽泰大のアダ名)。)




西口(序盤は制球の安定しない翔真先輩。変化球も混ぜていかないとかなり危険だ。)


西口がカーブのサインを出す。



大場『おっけ。』




セットポジションから投球モーションにはいる。


ビュッ!!


カクッ!



西口(まずい!!完全に…)

大場(やべ…。)


((( 浮いちまった… )))




ズバン!


西口(え?)

大場(助かったぜ…)


『ストライク!!』



芝田(ふう。)




坂本成『でたな。大の悪い配球予想。』

坂本良『ああ。アイツもあのピッチャーと同じで打者版のスロースターター、つまり4打席立って結果のこすタイプなんだよ。』

大平『この打席は正直あんま期待できんやら?あいつ第一打席苦手だし。』

日根野谷『ですね。』




西口(今の浮いた打者にとっては絶好球を見逃した…?強豪猪子石の3番だ…いま何を狙っている…)


芝田(やべー。次なに来るか全然わかんねー。※棒読み)



西口(次もカーブでいきましょう。)

大場がうなずく。


大場(次は低めに集める。)



ビュッ!!カク



西口(マジかよ!?やめてくれー!)

大場(また浮いちまった!!)


(((今度こそ運ばれる!!)))


ブン!


『ストライク!!ツー!』


『さあ豪快に空振りしてツーストライク!!2球で追い込まれた!!』



西口(え、空振り?)

大場(てかバッター打てよ。まあこっちからすれば助かったけど。)



根本『おいおいおい。』

小木曽『さすがにいつものあいつでも一打席目だからといって、ん…ちょっと待てよ…』

坂本良『俺もたぶんいまヤスと同じこと思った…。なあ…みんな?』


3年生一同『うん…。』


小木曽『なあ…伊永(これなが)?』

伊永(記録員)『どうしたの?みんなしてそんな顔して。私なんかした?』


大平『あのー。大変申しずらいんですが…今日大くんは…伊永の大好物の…栃木直送かんぴょうを食べましたか…?』


伊永『うん。今日は準決勝だし。元気出ると思って。それがどうかした?』



3年生一同『それだぁーっーっーっ!!』


日根野谷『栃木直送かんぴょうがどうかしたんですか?』

小木曽『大はな…かんぴょうが大嫌いでな…食べるとその反動で食べた半日は頭が回らなくなるんだよ…』

藤川(控え)『じゃあ食べなきゃいいじゃないですか。』


坂本良『大はな…気が小さいからな…彼女の言葉には一切反抗できないんだよ…』


日根野谷『彼女って…』

小木曽『伊永…』




ビュッ!!


西口(またまたまたまたまた…。)

大場(甘すぎるー。)


芝田(3球続けて甘いカーブ!!舐めんなよ!!)

ボン!


『詰まった!!おっ!しかしこれは面白いところに落ちるぞ!!』



ポテン!


『落ちたーっ!!ポテンヒット!!二塁ランナー根本は打球が落ちたのを確認してからスタート!!!!』


小木曽『さすがに3球あの球が来たらバットに当てるか…。まあ結果オーライか…』

坂本成『あんくらい捉えろよ…』


伊永『ふー。私の栃木直送かんぴょうのお陰かな。』

伊永がボソッと呟く。



グラウンド上の選手以外全員

『『『『勘違いしてるーっ!!』』』』




『さあ3番の芝田も繋いでこれで一死一三塁。』


『4番、キャッチャー、渡辺くん。』



大場(きたか…。)

渡辺『久しぶりだな。翔真。』

西口(え?)


大場『黙れ。』





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