No.71:日本でこんな野球がしたかった。
韓国人トリオの会話が読みづらいため、普通の表記にしました。
朴昌秀『タイムお願いします。』
『タイム!!』
朴昌圭『どうした?』
朴昌秀『覚えてるか?』
朴昌圭『ああ。3年前のあいつとの対決だろ。忘れるわけねえ。』
朴昌秀『そうだ。3年前の世界大会の初回一挙8失点も全てアイツのツーアウトフルベースからの満塁ホームランから始まった。』
朴昌圭『だから忘れてねえって。本気でいくぞって言いたいんだろ。』
朴昌秀『ああ。だからあのボールを解禁しよう。』
朴昌圭『わかってるって。俺は早くアイツにリベンジしたくてウズウズしてるんだ。それで終わりなら戻ってくれ。』
朴昌秀『頼んだぞ。エース。』
朴昌圭『ああ。』
『プレイ!!!!!』
『さあ7回の裏、一点を返し2点差となり尚ツーアウトフルベース!!打席には今日2打数無安打1四球の1番の鬼頭!朴昌圭、セットポジションから第1球投げる!!!!!!』
シュルルルっ!!
鬼頭(そう何度も同じボールで撃ち取られて…)
『たまるかよっ!!!!!!』
カキーンッ!!!!!!
『低めのツーシームを華麗に流し打った!!!!!打球はライン際!!切れるか!?切れるか!?』
『ファール!!ファール!!』
『打球は惜しくもファール!!しかし初球から巧いバッティングを魅せました!!』
朴昌秀(コイツ…やっぱり流石だな。昌圭のツーシームにもうついてくるようになったのか。次はお前の得意球…)
(アウトローギリギリのストレート。)
ビュッ!!
バン!!
『ボール!!!』
朴昌秀(やはり終盤だけあって昌圭の武器であるボール1個分の出し入れを自由自在に実行するコントロールが無くなってきている。コイツを抑えれば勝利は見えてくる!!)
ビュッ!!
鬼頭(ストライクからボールになるカットボール!!!!もらった!!!!!)
朴昌秀(注文通りのナイスボール!!!!!)
ガッ!
朴昌圭(なに!?)
朴昌秀(読んでいた!?こんなに踏み込んでくるなんて!!だがこのコース…ファールにしか…)
カキーン!
『打球はまたレフトへ!!しかしこれも切れてファール!!!!!!』
朴昌秀(まさかこんなに踏み込んでくるなんてな。ならこのボールには手も足も出ないだろ!!)
『インコース!!!!!!!勝負にきた!!!!!!』
鬼頭『舐めんな!!!!』
カキーン!
『今度はインコースの140km/hのストレートを強引に引っ張っていってファール!!』
朴昌圭『これならどうだ!!』
ビュッ!!
カクッ!
『ボール!!カウント2ボール2ストライク!!』
『第6球目はボール!!!!!!』
朴昌圭『この野郎!』
朴昌秀(落ち着け!!昌圭!!!!)
バンッ!!!!!
『ボール!!!!!カウントツースリー!!』
『さあこれでフルカウント!!!!ランナーは投げた瞬間に自動スタート!!!!!!』
朴昌秀『タ、タイムお願いします!!』
タッタッタ…
朴昌秀『落ち着け!!周りをよくみろ!!』
朴昌圭『わり…。ちょっとテンション上がっちまって…。』
朴昌秀『次の1球で決めるぞ。』
朴昌圭『ああ。わかった。試合での使用は1年半以上ぶりだな。』
朴昌秀『この大会のために完全マスターしてきたボールだ。気持ち乗せろよ。』
朴昌圭『オッケー。』
野中『次の1球…』
川越『勝負に来る…。』
野中『絶対打てよ。鬼頭。』
『さあ注目の1球!!マウンド上、上社西のエース朴昌圭、フルカウントからの第7球…投げる!!!!!!!』
朴昌圭『中学では負けた、だけど、』
『高校は絶対に負けられないんだ!!!!!!!!!!』
ビュッッッッッ!!!!!!!
鬼頭『!?』
カクッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!
鬼頭『ス、スライダー!?ここで来たかっ!!』
朴昌圭『くらえ!!!!俺の渾身のスライダー!!!!!!』
鬼頭『あ、やべえかも…。』
カーン!!
野中『あ…』
川越『…。』
『打ち上げたーっ!!朴昌圭のスライダーのような球種に窮屈なバッティングになってしまった!!これはライトか!!フラフラッと上がった!!』
野中『こりゃもしかして…』
『ライト追う!!ライト追う!!風にのって飛距離はぐんぐん延びていくぞ!!!!!!』
朴昌龍『え…』
ポーンっっ…。
鬼頭『や、や、や…』
『やったーっっ!!!!!!!!!!!』
『なんと風にのってそのままポール直撃!!!!!!!!!なんということでしょう!!!!!!!!7回裏、鬼頭になんとなんと逆転のグランドスラムが飛び出したぁぁぁぁっ!!!!!!!!』
『ナイバッティン!!!!!!』
『よっしゃあ!』
『打ったバッター鬼頭もダイヤモンドを一周してきて今ホームイン!!これで7-5!!!!!!!!鬼頭の一振りで試合をひっくり返した!!!!!!バッテリーは呆然!!!!!!!立ち尽くすしかありません!!!!!!!!!!』
朴昌秀『討ち取ったのにな。』
朴昌圭『ばーか。ホームランじゃ。』
朴昌秀『切り換えろよ。』
朴昌圭『わかってるって。』
朴昌秀『なに笑ってるんだ?』
朴昌圭『何でもねえよ。次のバッター、抑えよう。』
朴昌秀『ああ。』
朴昌秀(あの球をホームランにするか…。しかも真のウィニングショットのスライダーを。)
朴昌圭『あんな詰まったのにあそこまで運ぶか…。やっぱり日本人のバットコントロールは半端ねえな。』
(てか俺はよ…)
((( 俺は日本で、こんな野球がしたかった。 )))
ゲームセット!!!!!!!
『『『ありがとうございました!!』』』
野中『結局コールドゲームか…。』
川越『ああ…。まさか鬼頭の一発のあと、あんなに上社西の韓国人エースが崩れるなんてな。』
野中『そのあと2番手として登板したセンターの子も打たれちゃったしな。』
川越『まあ大勝したんだ。素直に誉めてやろうぜ。』
小木曽『やっぱ邦南が勝ったか。新星の登場なんて楽しみだ。』
芝田『ああ。楽しみな準決勝になりそうだな。』
上社西| 120 000 2 | 5
邦南高| 110 000 10×| 12
副島『みんなナイスゲーム!!!!!』
鬼頭『ところで県営小牧球場でやってた湯本学園池下VS猪子石はどっちが勝ったんだ?』
副島『それ今言おうとしたけど、明日の準決勝の相手は…猪子石高校に決定した。』
氷室『え、猪子石って!』
大場『たしか大会前から享神に対抗できる唯一の高校って言われてたな。』
鬼頭『ああ。エースの小木曽は今秋ドラフト1位候補の先発完投型右腕。打線も隙がなくて代打陣も充実。2番手投手のの芝田もかなりの好投手だ。』
西口『まあそんなやつらと対戦できるなんて最高じゃん!享神の前に力試しするには最適な相手だぜ!』
小宮『だね!!じゃあすぐ学校に帰って練習しよう!』
『『『 おう! 』』』
そして次の日…晴れ
先攻・邦南高校
1:RF:鬼頭 博行
2:CF:慶野 文哉
3:P:大場 翔真
4:C:西口 拓磨
5:1B:氷室 佑介
6:2B:副島 充
7:3B:松坂 健祐
8:LF:木村 太郎
9:SS:島谷 倫暁
後攻・猪子石高校
1:2B:根本 健太郎
2:P:小木曽 泰大
3:3B:芝田 大
4:C:渡辺 一紀
5:1B:坂本 成生
6:CF:坂本 良太
7:RF:大平 雄貴
8:LF:新谷 拓己
9:SS:日根野谷 一貴
『プレイボール!!!!!』