No.7:誠の実力
決め球のフォークを打たれた翔真はリズムが狂い、3連打のあとにフォアボールを与えてしまい3点目を献上。なおツーアウトフルベースでバッターは…
『9番、キャッチャー、下村誠君。』
健太『誠は俺のフォークをガキん頃から何千球と受けてきてる。というよりアイツは1年生キャッチャーだから上位打線は荷が重いと思って9番にしているだけだ。打力なら俺に匹敵するくらいの実力だ。』
《《 かっ飛ばせー誠!! 》》
名林は名門高なだけあって応援にも力を入れている。
西口『タイムお願いします。』
『タイム!!』
西口『まだ3点取られただけであせるような場面じゃない。ここは自分のペースで楽にいきましょう!!あの9番は平気で人を殴るようなクソ野郎ですから!!思いきっていきましょう!!』
大場『…お前が言えることか?』
翔真が拓磨に聞こえないような声でボソッと言った。
西口『何か言いました?』
大場『別に。』
誠『きみ。知ってるよ。名古屋東ブラックシャークの4番の西口くんやら?』
西口『…。どーも。』
誠『一回やったことあるよね。』
西口『知るか。覚えてねえな。』
誠『本当かい?俺は全国大会の準決勝でお前らに負けた…』
西口『…!!まさか!!あの!?』
大場が誠に第1球を投げる。
渾身のストレート。
(カキーン!!!)
誠『9番バッターだと思って油断してた?フフっ。』
西口『札幌ライオンズJr.の4番キャッチャー…下村誠…なぜ愛知に…?』
誠『おせぇんだよ。気づくのが。ちょっと誘われちゃってさ。名林にね。』
(ゴーンッ!!)
大場『兄弟揃って…俺のボールをバックスクリーンに…。』
小宮『満塁…ホームラン…』
長岡『これでいきなり7-0か。きまったな。5回コールドってとこか?』
健太『当然だろ。』