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No.63:照丘小vs南阪小

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大阪に引っ越した大場の二人は、照丘(てるおか)小学校に転校してきた。



そこは大阪の軟式野球の名門中学、南阪中学の附属の南阪小学校があるところだ。

もちろん、後のS・6(中学まではS・7)

と呼ばれるようになる面子がもろもろ揃っていて、さらにその至高の7人組に、さらに当時、【 悪童コンビ 】と呼ばれた双子の相当野球の上手い悪童までそろって、南阪の完成形だった。

が、南阪中学の時、悪童コンビが事情があり、南阪中学を退学し地元の中学へ転校してしまったので、南阪は7人組となった。

悪童コンビが退学しなければ、いまではきっとS・9と呼ばれていただろう。





話を戻して、照丘小学校。


翔真は野球をやるかやらないかで揺れていた。

入るなら小学校の部活に入ろうと思っていた。



そして、小学校の野球部を見たとき、ものすごいタラタラだった。

その時気持ちの低かった翔真は、厳しい世界に入るつもりはなかったし、この野球部に入ることに決めた。

小学校の部活なのでやるのは水曜日、金曜日、日曜日だけだ。




その時の翔真は、野球がうまくなりたいというより、野球を楽しみたいという気持ちだった。



『ハッハッハ!!なんやそれ!!』

『アホやんけ!』

『うっさいわ!』

『ハハハハ!』

練習中は笑いが絶えず、公園でやってる野球と同じだった。

もちろん、この照丘小学校は弱かったし、翔真もこの頃の自分の野球に関しても、いまになっても後悔はしていないという。


そして小5の夏の小学生軟式野球阪神大会。

1回戦の相手は、なんとあの南阪小学校。

翔真はエースで4番だ。




南阪小はすでに地元では有名だったのでギャラリーもたくさんいた。

それまで練習試合では、楽しむことだけを第一に翔真は考えていたので、皆のために打たせていた。

が、今日は違った。

1番から9番まで隙のない究極の打線。

打たれて当然という妙な安心感。


そしてこの超強豪に自分のピッチングがどれだけ通用するか、試してみたかった。


このとき、翔真は小学校5年生。

練習でも当分ピッチング練習を本格的にはしていなかったので自分のからだの成長に気がつかなかった。


そして一回の表、南阪小学校の攻撃。

大場翔真がギャラリーを唖然とさせる圧巻のピッチングを披露する。


『水仙、打てよ。』


水仙『あたりめえだろ。黙って見てろ。』



翔真『これが南阪のリードオフマン、水仙か。』



翔真が振りかぶる。


ビュッ!!


バンッ!



水仙『ん…。』

水仙のバットはピクリとも動かなかった。


『ストライーク!』



『おい。ドラゴン。水仙が初球見送ったぜ?あいつの大好物はゲーム開始直後のストライクのボールだよな。』


青龍寺『知るかよ。まずは球筋を見極めようとしてんじゃねえか?いちいちそんなことを俺様に聞くな。ぶっ殺すぞ。』



2球目…


ズバン!

『ストライク!ツー!』


水仙はまた見逃した。


水仙『こ、こいつ!!』


ズバーン!


『ストライク!バッターアウト!!』



水仙『クソッ!俺が空振り三振だと!?舐めやがって!!』



上村(キャッチャー:キャプテン)

『は、はえぇ…。あいつ…こんなに早いボール投げれたのか…捕るのすら難しいぜ…。』

町田(ショート)『いきなり三振か!!ナイス翔真!』



『へ!!ザーコザーコ!!』

『それでも一番バッターか!!』


水仙『うるせぇ!この悪餓鬼二人組が!!』


そして、二番バッターも三振に倒れ、三番の鬼頭の打席。


ちなみに…打順は


南阪小学校


1:三:水仙 智也

2:中:???

3:投:鬼頭 博行

4:一:青龍寺 翔冴

5:左:桜沢 春毅

6:捕:???

7:右:???

8:二:???

9:遊:???


(???はまだ未登場の選手。)



鬼頭(やるな…。だがまだまだ始まったばかりだ。)


翔真(攻めるぜ!!!!)




ビュッ!!






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