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No.62:出逢いは運命

翔真の父と慶大が亡くなったとき、福岡にいたのは翔真たちだけじゃなかった。



当時福岡には、小宮哲都、それに西口拓磨の二人もいたのである。



小宮を野球に誘ったのは西口。

その西口を野球に誘ったのは翔真の弟、安田慶大。

そして慶太を野球に誘ったのは翔真である。





-------------------------------

西口『もし暇なら一緒にキャッチボールしようよ!』

小宮『キャッツボール?』


西口『キャッツ?なにそれ?キャッチボールだよ!』


小宮『…。なにそれ?なんで僕なの…?』

西口『いつも一緒にキャッチボールやってる男の子が今日はいないの。はい!これグローブ!』

---------------------------------


そして…


---------------------------------

小宮『も、もう帰らなきゃ…。』


『おーい!!』


西口『あ、来た来た!!』


『遅れてごめん!』


小宮『え…あ…』

西口『遅いよ慶大くん!』

安田慶大『ごめん!ちょっとカブトムシの観察してて…。』

小宮『な、なんで慶大?』


安田慶大『あ!哲都!なんでここにいるの!?絵梨が寂しそうにしてたよ!』


小宮『はぁ。さみしがりやなんだから。じゃあ先に帰ってるね。』

安田慶大『うん!晩御飯の時までに帰るってお母さんに言っておいて!!』


小宮『わかったよ。』



テクテク…


西口『今の子、知り合い?』

安田慶大『うん。いとこだよ。今日は夏休みだしウチに泊まりに来てるんだ。』

西口『へぇ…あの子、他になんかスポーツやってるの?』


安田慶大『たぶんなにもやってないよ。』


西口『そうなんだ!じゃああの子も野球誘おうよ!』


安田慶大『え…ホント?哲都、性格があんまり野球向きじゃないと思うよ。』


西口『まあ僕も野球始めてからお喋りになったし、あの子もきっと一皮むけると思うよ。』


安田慶大『わかった。じゃあ誘ってみる。』


-----------------------------------



そして…時は四年後、あの悲劇の時、


-----------------------------------

翔真の母『翔真、これから引っ越すの。場所はおじいちゃんたちのいる愛知にしようかと思ったんだけど…大阪に決まったわ。あと、これから翔真は【安田翔真】から【大場翔真】って名前になったのよ。ごめんね…。さあ行きましょう。』


翔真『う…うん。』


そして二人が車に乗ろうとしたとき…



『待ってよぉ!』

『そうだそうだ!待ちやがれ!』



そこにいたのは…

翔真『小宮…、西口…。』


小宮『相変わらず、よそっぽい言い方だね。』

翔真『まあいとこだからって特別扱いする必要もねえよ。』

西口『うぐ…うぐ…。』


西口は泣いていた。

翔真『どうして泣いてるんだ?元気出せよ。』


西口『…ゅ…。……な……。』


翔真『ごめん何て言った?聞こえなかったわ。』


西口『野球!絶対にやめるんじゃねえぞ!もしやめたら、もしやめたら…お前が慶大の兄貴だってことも帳消しだからな!!』


ダッダッダ…


西口は走ってどこかへ行ってしまった。

四年たって二人とも大分性格が変わった。


小宮『僕からもお願いです。慶大が野球をできない分…翔真が慶大の分まで背負ってやってください!!お願いします!!』


翔真『バーカ。』


小宮『え…?』


翔真『お前らに言われなくたって背負っていくっての。まあ、野球はやんねえかも知れねえけど。』


小宮『…。』


翔真『でも…約束する!! いつかまた、一緒に野球をしよう!その時は、敵か味方かわかんねえけど、いつか、いつか絶対、野球やろうな!!じゃあな!元気でいろよ!』


小宮『チッ。』

ブーン!

大場の二人は、空港に向かった。


小宮絵梨『もう福岡には帰ってこれないんだってね。翔真と翔真のママ。絵梨は慶大とももっとしゃべっていたかったな。』


小宮『ああ。また、野球…できるかな…。』


小宮絵梨『当たり前じゃん!だって拓磨、哲都、翔真の三人の出逢いは運命でしょ。運命ならまた必ず会えるときが来る。その時を待とうね。』

小宮『ああ。また、できるよな。』


小宮『よし!家にかえって素振りでもするか!!絵梨は病院だからな!』


小宮絵梨『はーい。』



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