No.46:共に上を目指す仲間
鬼頭『同点。そして逆転サヨナラ、next stageに進むのは俺達だ。』
飯尾『言ってくれるじゃん。このオレからそう易々と連打が打てるとでも?大峰明館のエースナンバーはこのオレだ。谷は控え投手だ。自分の実力をわきまえてから言いな。』
鬼頭『勘違いするなよ。』
飯尾『このヤロウ!!』
ビュッ!!
カッキーーッン!!
飯尾『え…。』
鬼頭『自惚れるなよ。オレのが格上だ。』
《 136km/h 》
『打球はライトへ!!!!!!』
(バン!)
鬼頭『くそっ!!ギリギリか!!』
『打球はライトフェンスダイレクト!!!!!!あと少し高ければホームランという当たり!!!!!一塁ランナーはツーアウトなので好スタートを切っている!!』
飯尾『バ、バックホームだ!!』
西口『オレが…オレがホームベースを踏んで、この試合を終わらせてやる!!』
『ライトの宮池もボールまで素早く追い付いた!!一塁ランナーの西口は三塁も回る!!セカンド筧がボールを繋ぐ!!いい連携だ!!バックホームする!!』
西口『どりゃぁぁ!』
筧『間に合えっ!!』
『西口はヘッドスライディング!!!!!!!』
大場『!!!!!!!』
副島『頼む!!』
氷室『!?!?』
鬼頭『セーフか!?』
谷『…!!!!!』
宮池『アウトか!?』
『タイミングはほぼ同時!!どっちになってもおかしくないぞ!!はたして主審吉村の判定はー!?』
『セーフ!!セーフ!!ゲームセット!!!!!!!』
西口『よっしゃぁぁ!!!!!!』
小宮『ナイスラン!!拓磨!!』
西口『おう!!』
(パチン!!!!)
二人はちっちゃかった時のように、人前でハイタッチをした。
谷『クソ…。』
飯尾『ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!』
『ゲーム!!!』
『『『ありがとうございました!!』』』
鬼頭『おい!』
鬼頭が大峰明館のエース飯尾に声をかけた。
飯尾『なんだよ。勝者が敗者に話しかけるなんて、マナー違反だろ。』
鬼頭『まあそう言うなよ。お前には、ここで野球を辞めてほしくなくてな。』
飯尾『突然どうした?』
鬼頭『最後の1球、オレは確実にスタンドに放り込んだつもりだった。だけど結果はフェンス直撃だ。』
飯尾『フェン直の時点でオレの負けだよ。』
鬼頭『お前のストレート…もっともっと磨けば、プロでも通用するはずだ。だから…』
飯尾『プロって…。そんな夢中坊の頃にとっくに捨てたよ。』
鬼頭『諦めんなよ。おれだって1度は諦めた。だけどまだ心のどこかでプロを目指している自分がいる。』
飯尾『お前…本気か?邦南だろ。』
鬼頭『ああ。本気だ。まあ高卒から行く気はねえけどな。大学からオレは行くつもりだ。』
飯尾『なんで俺なんだ?』
鬼頭『オレはお前に…可能性を感じた。俺とプロ目指さねえか?』
飯尾『ハハハ…。なんかな…お前がそんなこと言ってこなきゃ、明日から実家の魚屋を継ごうと思ってたのに。』
鬼頭『ってことは!』
飯尾『いいよ!!俺ももう一回、自分の可能性に挑戦してみてえし。大学でまた会おう!』
鬼頭『おう!!』
愛知県公立No.1進学校の県立邦南高校、5回戦の大峰明館高校を破り、ベスト8進出!!!!!
大峰明館|000 300 110 |5
邦南高校|000 000 222 |6