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No.44:バッターは松葉杖

『9回の裏の、邦南高校の攻撃は、6番、ライト、氷室くん。』



『ベスト8をかけた夏の高校野球愛知県大会5回戦も遂に9回の裏、邦南高校の攻撃です!!点差はわずかに一点差!!』


野中『おい!ケイさん!帰ってこいよ!邦南もまだまだわかんねえぞ!』


野中が携帯電話で川越に電話をする。

川越は8回の表に邦南の捕手副島がパスボール(記録は暴投)してしまったときに呆れて次のチームの球場外でやっているアップを観に行っていた。


そのころ川越は…


川越『は!?なんだって!?1点差で9回の裏!?…わかった。すぐにいく。』





また視線を切り替えて今度は邦南高校ベンチ


慶野『氷室ってここ最近なんか違うよな。』

大場『だな。昔はあんなやる気なかったのに最近じゃ練習への取り組み方も変わったしな。』

慶野『4回戦も4打数4安打だったしね。』

大場『なんやかんやいってあいつが1番ここ最近成長したよな。』




氷室『副島さんのためにも…絶対にこの試合勝ちたい!!』


そのころベンチ裏医務室では…


副島『入ってこい。そこにいるんだろ。』

副島が医務室の空いている扉に向かって言った。(ちなみに医務室には副島一人しかいない。)



(コツ…コツ…コツ…)

足音が響く。


『ハハハ…。気づかれてましたか…。』


副島『どうした?そんな格好して。』


副島の目の前には邦南高校の制服を着た男が立っていた。その男は…

副島『西口…。いてもたってもいられなくなったか。』

この試合は地元のテレビに生放送されているので今の展開も副島は知っている。


西口『…はい。自分のしたことはわかっているはずなんですけど…。なんかダメなんです…。スタンドから応援するだけじゃ…。オレがベンチにはいったらみんなに迷惑かけるってわかってる。でも…』

副島『そんなことないぞ。』


西口『え…』




(カキーン!!!!)

『打球は三遊間を抜けてヒットになった!!同点、そして逆転を狙う邦南高校!!先頭の1年生氷室くんが今日初ヒットを放ち出塁しました!!』


『7番、レフト、木村くん。』




西口『そんなことないって…どういうことですか?』


(コン!)

『送りバントはきっちりと決まった!!いいバントだ!!これで一打同点の場面になりました!!ワンナウト二塁!!!!』





副島『小宮が被害者でおまえが加害者。だけど小宮は気にしてなかったんだなって、小宮の行動を見て思った。』

西口『え?』


『8番の藤武は三振!!!!!!これでツーアウト!!!!大峰明館高校、あとアウトひとつでベスト8進出!!!!』



『ここは…絶対に打つしかない…。』


邦南ナインが必死に願っている。

次の打者は9番、1年生の島谷涼太だ。


副島『今はその意味がわからなくてもあいつらと野球やってれば気づくよ。お前は大切なチームメイトの一人だってね。気にすんなよ。いってこい。オレからも監督にお前の起用を進言する。』

西口『オレの起用?代打ですか?』


副島『違う。代走だ。小宮が出塁するまでに着替えてまってろ。代打小宮だ。』


そう言って副島は足を引きずりながらベンチに行き…


副島『監督。代打小宮です。代走の準備もできました。西口が今着替えています。』

小宮『拓磨くん!』


『西口か。早くしろ。小宮!松葉杖でも代打なら可能だよな?ルール的にも。』


小宮『はい!!』






『邦南高校、選手の変更をお知らせします。9番、セカンド、島谷涼くんに代わりまして、代打、小宮くん。』


『おっとここで邦南高校の代打は小宮くん!!松葉杖を使いながら打席にたちます!!場面はツーアウト二塁!一打同点です!!!』



大峰明館サイドもタイムをとり松葉杖を使いながらの登場がオッケーだということを確認した。





『プレイ!!!!』



小宮『拓磨くん…。今のキミなら僕の気持ち、きっと届くよね。』





9回裏ツーアウト!一打同点の場面で打席に松葉杖の小宮が入る!!




松葉杖で出場なんて出来ないと思います←

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