No.4:小宮と西口の裏
ゲームセット!!
試合はそのまま邦南が4回に相手のエラー絡みで二点を追加、そして9回にツーアウト満塁から2番慶野の二点タイムリーツーベース、そして二死二三塁から3番の小宮の今日初ヒットとなるタイムリーで二点を追加。
この当たりで二塁を狙った小宮が二塁でタッチアウトになるも7-0で大場がそのまま完封し、完勝した。
実に6年ぶりの初戦突破だ。
そして試合後…
副島『みんな今日はよくやった。これからも頼むぞ!』
≪おう!!!≫
監督としても気分がいい。1番の大場は4打数3安打1四球2打点の活躍。4番の西口も4打数4安打2打点の活躍をした。
チームの安打合計も監督になってから断トツで最多の10安打だ。大場だけのチームが、小宮と西口の加入によって自信を持ったようだ。
次の相手は1回戦はシードだった栄華高校。
みんなには頑張ってもらいたい。
その頃…小宮と西口は試合後なのになぜか野球部の部室の中にいた。
(ガツッ!!)
(ボコッ!!)
(バタッ!)
小宮『やめてください…』
小宮が何者かに殴られている。
殴られている相手は…
(ガツッ!)
小宮『痛い。頼むからやめて…。拓磨くん…。』
西口『拓磨くんだぁ?お前いつから俺のこと下の名前で呼べる立場になったんだ?西口くんにしろ。じゃねぇと二度と野球できなくするぞ。』
(ボコッ!ボコッ!ガン!!)
小宮『すみません西口くん。ごめんなさい。』
西口『なんで最後の攻撃、二塁狙ったんだよ。おい!なぁ!!』
(ボコッ!)
既に小宮の顔は真っ赤に腫れている。
小宮『あれは…』
西口『てめぇ次のバッター今日4打数4安打なんだぞ?そんなに俺が信用できねぇか?』
小宮『違います…。』
西口『お前、誰のお陰でいま野球できてると思ってんだ?おい。』
小宮『西口くんのお陰です…。』
西口『だよなぁ?俺がいなきゃお前はずっとぱっとしねぇ男だったんだぞ?まあいまでも十分ぱっとしねぇクソ弱虫な野郎だけどな。ハハハ。』
(ガツッ!)
ついにまぶたから血が出てきた。
(ドンドン!)
『おーい!誰か中にいるのか~?もうすぐ完全下校の時間だぞ!早く着替えて下校しろよ!』
西口『はい!すぐにいきます!』
『おーう!』
西口『邪魔が入ったか。まあ次の試合で俺の機嫌を損ねるようなことしたら二度と動けないようにするだけだ。あとこのことチクったりしたら容赦しねぇからな。わかったか?顔の怪我も風呂場で転んだことにでもしとけ。間違っても俺の名前出すんじゃねえぞ。』
小宮『はい…。』
西口『じゃあな。クソ人間。』
(バタッ!)
(カチャッ)
西口は部室の鍵まで閉めていった。
部室は基本密室なので出ることはできない。
小宮『ちくしょう…。昔は…あんなに優しい…拓磨だったのに…。なんで…。』