No.381:明日へ~Next Stage~
啓稜学院|201 000 040|7
邦南高校|000 101 003|5
邦南の、夏が終わった。
最後に悔しさを味わった邦南ナインだが、そこには充実感もあった。
地元に戻ると、今まででは考えられないような大賑わい。
学校の盛り上がり具合も、凄い。
そんな中、すぐにU―18高校日本代表の発表が行われた。
投手(7名)()内は出身校
青龍寺 翔冴 (啓稜学院)
大場 翔真 (邦南)
青馬 大輔 (北頼)
薮内 琢雄 (陽灘学園)
神社原 隼人 (土南学園)
小木曽 泰大 (猪子石)
藤浪 健太郎 (桐陽学館大阪)
捕手(3名)
赤嶋 頭也 (美鶴学舎)
棟方 和徳 (啓稜学院)
綾田 徹 (都立光山)
内野手(6名)
水仙 智也 (晟西)
氷 政成 (啓稜学院)
鳴島 剣刃 (楽秦工業)
鳴島 破刃 (楽秦工業)
南條 由毅哉 (啓稜学院)
鬼頭 博行 (邦南)
外野手(4名)
風岡 蓮太郎 (北頼)
霞 勇翔 (茜商業)
我妻 憲明 (啓稜学院)
桜沢 春毅 (享神)
舞野駿太郎(都立光山)、鬼頭天(楽秦工業)は疲労考慮の為、不選出
青馬『鬼頭。出ねえのか?』
鬼頭『いや、出れない。肘痛いし。てかなんで怪我人の俺が選ばれてんだよ。』
青馬『そりゃぁ、絵が映えるからじゃね?』
鬼頭『内野手として選ばれてるけど、バット振れんわ。』
青馬『まぁ、それはドンマイ。』
鬼頭『初戦の韓国戦はドラゴン先発だろ。お前はいつ先発よ。』
青馬『2戦目のカナダ戦。韓国の先発は中学ん時に対戦したことある朴らしい。三年越しの対戦だな。』
鬼頭『デジャヴかよ。』
青馬『今年のU―18野球世界選手権は日本でやってくれるからいいわぁ。台湾は料理が合わなくて大変だったし。』
鬼頭『おっ。北峰だ。』
青馬『?』
北峰『おーっす。もう練習終わったんか?』
鬼頭『まぁな。明日から大会始まるし、今日は全体練習は早めに終わって自主練の時間よ。』
青馬『おう。久々だな。丞。』
北峰『青馬か。春の決勝以来だな。』
青馬『おまえも肘ぶっ壊したんだってな。進路はどーすんの?』
北峰『それは、まぁ、な。鬼頭と六大学行こうかな、って話はしてるよ。同じ大学でな。』
青馬『それ聞いてないんですけど鬼頭さん?』
鬼頭『お前それ言うなよ。内緒だったんだから。』
北峰『おうスマンスマン。』
青馬『なんだお前らホモか。』
鬼頭『コロスゾ。』
北峰『いや、同じ境遇だし、お互いにどうせ当分の間プレーできねえからな。一緒に切磋琢磨出来るなら悪くねえかなって思ってんだよ。』
鬼頭『そゆこと。』
青馬『なるほどね。じゃあ、しばらくは対戦することも無くなりそうだな。』
北峰『お前はどーすんだ?』
青馬『俺は勿論、プロ志望。高いレベルでやりたくなってよ。』
鬼頭『南阪のやつらも、俺以外全員プロ志望だとさ。全員ドラフト1位候補。』
北峰『ほー。やっぱ流石だな。』
青馬『お前らも絶対プロ来いよ。待ってるからよ。』
鬼頭『なんでテメーそんなに上から目線なんだ。』
北峰『まだ指名されてもないくせに。』
青馬『…ハズカシイ。』
北峰『ま、勝てよ。世界でも。』
青馬『おうよ!』
鬼頭『ベンチから応援するぜ。』
青馬『いや、スコアでも書けよ!』
鬼頭『文字書けねえよ。肘痛いもん。』
青馬『じゃあなんで選ばれてんだよ!!!!』
鬼頭『知らねーよ。まぁ、昔から年寄りにはウケが良かったから、それが生きたのかもしれんな。高野連のおっちゃん達の好みの問題だろ。』
水仙『おいお前ら。キャプテンが集合だとよ。ぶちギレてるぞ。』
鬼頭『は!?』
青馬『ブチギレ!?』
『『ヤバイ!!行くぞ!!!』』
北峰『…。』
水仙『うっそぴょーん。』
鬼頭『…。』
青馬『…。』
鬼頭『ちょ!マジでその冗談はヤバイ!』
青馬『殺されるかと思っただろ!』
水仙『フヒャヒャヒャヒャ!!!お前ら焦りすぎくそウケる!!!』
鬼頭『そりゃ恐ろしいだろ!!アイツがキレると死後の世界が見えるんだよ!!鬼みたいなヤツだから!!』
青馬『全国放送の甲子園で腹殴るようなヤツだからな!!冷酷なくそ野郎!!』
『なんか言ったか?』
鬼頭『……?』
青馬『あ………。』
風岡『質問に答えろ。なんか言ったか?』
『『スイマセンスイマセンスイマセンスイマセンスイマセンスイマセン』』
風岡『あとで宿舎でな。覚えてろ。(ニッコリ)』
北峰『逝ってらっしゃ~い。』
※このあとの二人は土下座させられました。
その後U―18高校日本代表は
第一ラウンドを
vs韓国 0-14
vsカナダ 0-8
vsベネズエラ 4-11
vsフィリピン 0-35
vs中国 0-22
の成績で圧倒的1位で突破
第二ラウンドでも
vsチャイニーズタイペイ 1-9
vsキューバ 3-7
vsアメリカ 0-6
で決勝進出
決勝のアメリカ戦も
日本8-4アメリカ
の成績で世界大会優勝を果たし、
黄金世代の名に恥じない成績を残す。
その後、新チーム。
3年生が5人抜けた邦南は部員が残り7人しか残らず、必死の部員集めも実ることなく秋の県大会出場辞退。
国体に出場はするも、鬼頭を欠いた邦南は初戦で北頼に5-0の完敗。青馬に8回零封を食らう。
そして3月、部員達にある言葉が告げられた。
片野監督の、他校への転任である。
これは公立高校ならよくある人事異動であった。
しかし、ある男が監督に就任することになる。
『おいキャプテン。集合だ。』
慶野『おはようございます!!お久しぶりです!!』
『いいからさっさと集合をかけろ。』
慶野『集合!!!!』
『『『ハイッッ!!!!』』』
『お前ら俺の顔、忘れた訳じゃねぇだろうな?』
大場『確か、1回ノック打ちに来てくれましたよね?』
『あぁ。』
氷室『あっ!あの、野中のおっちゃんとよく一緒にいた享神の初優勝の時のエースで4番だったって噂の…』
『川越 啓造だ。春からこの野球部の監督を務めさせてもらう。よろしく。』
大場『え…?』
慶野『川越さんが…ウチの監督?』
川越『明日から早速だが、練習の指揮を取らせてもらう。2年のやつらはあと長くて5ヶ月の付き合いしか持てねぇが、よろしくな。慶野キャプテン。大場副キャプテン。今年のウチの高校は他県からも野球推薦として選手をそれなりに獲得したと聞いている。ま、勿論基本俺がスカウトしてきたんだけどな。今年の目標は、決まってるよな?』
慶野『今年の夏の目標は、全国制覇です。』
川越『男に二言はねぇな?』
慶野『勿論です。』
川越『よし。そうでなくちゃやり甲斐がねぇよな。改めてよろしく。』
慶野『お願いしますっっ!!!』
『『『お願いしますっっ!!!!!!!』』』
慶野『しゃぁぁ!!!ノックの続き行くぞ!!!!!』
『『ハイッッッッッッ!!!!!!』』
邦南の夏は、また再び始まる。
色々考えてみたんですが、やっぱりこの高校の続編をやりたいと思います。
一応、ホームスチールはここで区切りとして、違うタイトルで、この続編をやっていこうかな、と思っています。
少し次回作のための準備期間のため、投稿は遅れますが、またこの邦南高校の夏を書き続けていこうと思います。
よければ、是非次回作もお願い致します。
あと、このような下らない、内容の洗練されていない素人の野球小説(感覚的にはマンガ?)を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
邦南高校のひとなつを3年半かけて、書くことができたのは、読んでくださった皆様が居たからです。本当に感謝の気持ちで一杯です。
改めて、良ければ次回作をお願い致します。そして、次回作、期待してて下さい!!!!!!
ありがとうございました!!!!!