No.377:竜vs鬼―revision―
《ここで対峙するのは、小学生の頃から、互いにライバルとして切磋琢磨してきた、青龍寺翔冴と鬼頭博行の対決!!!》
鬼頭博行 本日の打撃成績
1:捕邪飛
2:左2
3:空三振
4:中安
《今日の試合、4打数2安打で迎えた第5打席!!!》
青龍寺(ここで…テメーかよ…。)
鬼頭(負けないぞ。ドラゴン。)
風岡(…。)
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青龍寺『なあキャプテン!なんでコイツばっか先発なの!?俺にもやらせろよ!』
鬼頭『お前に先発は無理だよ。ファーストでもやってろよ。』
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青龍寺『じゃあなんでずっとコイツがエースで俺はファーストなんだよ!!!おかしいだろ!!』
『チームを1番背負っているはずの投手が、わがままな投球で、周囲に迷惑をかけることを俺は絶対に許さない。今のままじゃ鬼頭がいる限り青龍寺は絶対に二番手投手だ。』
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風岡(クソ餓鬼だったお前も成長したな。)
(もうお前は立派なエースだよ。)
霞『ったく…。野球の神様はやっぱりいるのかね。』
水仙『コイツらで決着をつけろ、ってか?』
桜沢『素直にどっちも応援だな。ライバル対決。』
赤嶋『俺らがガキの頃から、ヒロはドラゴンの前に立ち塞がる最大の壁だった。だが、ドラゴンも努力した。』
『ヒロがドラゴンの前に立ち塞がり、また、ドラゴンもヒロの前に立ち塞がる。』
『どっちが勝ってもおかしくない。』
《この決勝の舞台、今大会、絶対的エースとして君臨し続けたエース青龍寺も、さすがに心身ともに疲労が溜まり2度にわたり足をつるも、マウンド降りない気迫の投球。場内は、邦南のドラマを期待する観客も当然多いんですが、勝つために意地の投球でマウンドに立ち続ける青龍寺への声援も少なくありません!!》
鬼頭『絶対に…打つ!』
棟方(こうなったら吹っ切れるぞ。翔冴。)
青龍寺『相手にとって…不足はねぇな。』
《セットポジションから、注目の第1球…》
《投げる!!!!!》
ビュゴォォゥゥッッッッ!!!!!!!
鬼頭(低い!!)
棟方(ナイス、ボール!!!!!)
鬼頭(なっ!?)
ズッバァァァァーーーッッーーンッ!!!!!
【156km/h】
『ストライーク!!!』
《初球はアウトローへの素晴らしい1球!!!キャッチャーのミット、ピクリともしません!!!》
棟方(よし!初球ストライク取れたのはデカイ!!)
鬼頭(今のは仕方がない。打ちにいってもおそらくダメだった。次に生かせばいい。)
棟方(一気に主導権、いきたいところだが、勝ち急いではダメだ。)
青龍寺(当然だ。)
棟方(ボール一個分外すぞ。コントロールミスったらキレるからな。)
青龍寺(なめんな。)
《第2球、》
《投げる!!!!!》
ビュゴォォゥゥッッッッ!!!!!!!
鬼頭(さっきと同じコース!!!!)
棟方(打ちに来い!!!)
鬼頭(いや、これは違う!!!)
ズッバァァァァーーーッッーーンッ!!!
《これも先程と同じコースだが!?鬼頭は見送った!!!》
『ボール!!!!!カウント1ボール1ストライク!!!』
《今度はボール!!!!少し外れたか!!》
棟方(今のは初球と違い、手が出なかったんじゃない。しっかりとボールと見極めてきたんだ。)
《しかしここでストレートを続けてきました啓稜バッテリー。》
棟方(鬼頭のこの修正力は…脅威だな…。同じ轍は二度踏んでこない。)
《ストレートを2球見送ってカウント1-1の平行カウント。3球目はどうしてくるか。》
棟方(このまま外一辺倒だと後に少し面倒なことになりかねない。ここで1球、内に投げる。ベースは広く使うぞ。)
青龍寺(おし。)