No.374:尽きる底力
カキィィーーーッッーーーンツ!!!
青龍寺(!?)
《打ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!》
ボンッ!
《しかしファール!!!インコースのストレートを鋭いスイングで引っ張るもこれは惜しくもラインの外!!!》
棟方(今の研ぎ澄まされた感覚の翔冴なら変化球でもいいが…ボールになったとき、フォアボールで満塁になっちまう。さっきのスライダーを見切られるんだ。変化球頼みのピッチングは危険すぎる。)
青龍寺(ストレートもう一丁。)
ビュゴォォゥゥッッッッ!!!!
棟方(今度は、アウトロー!!!)
カキィィーーーッッーーーンツ!!!
棟方(!?)
《今度は流し打ち!!!!レフトライン際!!!!フェアかファールか!?》
『ファール!!!!』
松坂『だぁ!惜しい惜しい!』
氷室『いい感じッスネ!!ミツルさん!』
棟方(今の外角のストレートにもついてくるか…。)
青龍寺(コノヤロ…。)
棟方(だが、撃ち取るにはこれしかない!)
青龍寺『オラァァァァァァァァ!!!!!!』
ビュゴォォゥゥッッッッ!!!!
《インコース高め!!!ストレート!!!》
カキィィーーーッッーーーンツ!!!
青龍寺『!?!?』
《これも弾き返す!!!打球はライトへ!!!》
我妻『なんつー打球飛ばしてやがる…!』
《これもファール!!!!球速は159キロ!!!!!》
青龍寺『なぜ振り切れる…。なぜ引っ張れる…。』
棟方(ここまでストレートを意識してれば…これには手が出ないだろ!!!)
《カウントはフルカウントのまま変わらず次が11球目!!!》
棟方(これで…、)
(ゲームセットだ!!!!)
《投げる!!!!!》
ビュゴォォゥゥッッッッ!!!!
スッッ…
棟方(!!)
“まずい!!!ど真ん中!!!!”
“打たれる!!!!!”
カキィィーーーッッーーーンツ!!!
赤嶋『!!!!』
《打ったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!打球は一二塁間!!!!抜ける!!!!》
棟方『ライト!!!バックホームだ!!!!』
青龍寺『…。』
棟方『バカ!翔冴!お前はホームのカバーに入れ!!!!』
《二塁ランナー俊足藤武は三塁ベースを回るか!?》
我妻『いかせねぇ!!!』
《いや、止まった!!止まった!!!ライト我妻から素晴らしい返球も返ってきた!!》
棟方『翔冴!おま…』
《おっとこれは…?》
『翔冴!!!!どうした!?!?』
《これは…どうしましたか青龍寺…?少し動くことができません。》
赤嶋(ドラゴン…。ここまで消耗してたのか…。)
青龍寺『大丈夫だ。少し足がつっただけだ。戻れ。』
棟方『憲も肩作ってる。代わるか?』
青龍寺『あぁ。代わるわけねえだろ…。こんな最高の舞台でよ…。』
秋葉『はい。翔冴。スポーツドリンク。』
青龍寺『おう。』
ゴクゴク…ゴクゴク…
棟方(あの翔冴がここまで体力的に追い込まれるとは…。)
赤嶋(8回あたりから明らかに変化があった。でもこの回、一旦ゾーンに入って立ち直った。)
(あのゾーンは…ドラゴンの底力ってことか…。)
(底力も尽きた…?これは…啓稜ヤバイんじゃね…。)
《邦南はキャプテン副島も続き3点ビハインドでツーアウトフルベース!!!一塁ランナー、副島がホームに生還すればたちまち同点、ホームランが出れば逆転サヨナラで優勝!!ここで打席には3番エースの大場翔真!!!!啓稜学院は優勝まであとアウトひとつまで迫ってしますがしかし!それが遠い!!!》