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No.368:最終回のマウンド

『7番、ライト、氷室くん。』







《松坂のホームランで1点を返した邦南高校!!ここで打席には今日いい打球を放っている氷室!!青龍寺には少し合っているか!?》





棟方(ここで嫌なバッター。だが、ワンナウトで4点リード。追い込んでいるのはこっち。臆せずいつも通り攻めていけばいい。)




ズバーーンッッ!!!


棟方(だが、)




『ボール!!!!』



《このスライダーも外に大きく外れてボール!!この回、青龍寺、少しボールがバラついています!》



棟方(どうしたんだ翔冴…?)



青龍寺(なんで思ったところに投げられない…?今までこんなこと…。)







棟方(4点リードとはいっても、ホームランを打たれたあとにボール先行は非常に都合が悪い。次はなんとしてでもストライクをとらないと…)


青龍寺(ストレート。)


棟方(とにかく腕を振れ。最悪ど真ん中でいい。置きにいくくらいなら思いっきり腕振ってど真ん中だ。)


青龍寺(おうよ。)









ズバーーーーッッッッーーッッーンッ!!!




棟方(ふぅ…。ナイスボール。)





『ストライク!!!』




《2球目はアウトローギリギリの素晴らしいボール!!》




棟方(いまの球威は問題ない。ストレートはまだだいぶ走ってはいるが、)


(コントロールがな…。)



青龍寺(次はなんだ?棟方。)


氷室(アウトローのコーナーギリギリ一杯か。さすがに手が出んわ。)




棟方(いまの1球はコースを要求せず、ど真ん中を要求した。もちろん、理由はコーナー狙って置きにいかれるより、思いっきり腕を振らせることを優先したからだ。だが、翔冴のボールはアウトローへ。一見素晴らしいボールを投げたが、俺からすればあわやボールゾーンの要求していないボール。理由はわからんがやはり、今あいつはボールのコントロールが相当キツい。)



《カウントはワンボールワンストライクの平行カウント!!》



棟方(フォークはキツい。恐らくだが疲労の蓄積でボールコントロールが利かなくなっているアイツは腕を振っても抜けて浮く可能性があるし、コントロールを意識して置きにいく可能性もある。シンカーも同様だ。シュートも疲れがたまるとほとんどストレートと変わらず、ただシュート回転しただけの棒球になってしまう。となると残されたのはストレート、カーブ、スライダー…。)


青龍寺(おい棟方。早くサイン出せ。)



棟方(ここはストレートを続けるか…。ただ、今回は2球続ける。甘すぎると反応で打たれる可能性も高い。真ん中はダメだ。)





ビュゴォォォーーーーッッッッーーッ!!





ズバーーーーッッッッーーッッーンッ!!





棟方(どうだ!?)




『ボール!!!』




青龍寺(くっそ…。)




《これは僅かにゾーンの外!!ボールで2ボール1ストライクのバッティングカウント!!》




棟方(ボールだがナイスボール。その感じだ。)





棟方(カーブはそのボールの特性上、疲れていてもコントロールは比較的しやすい。絶対にストライクが欲しい次の球、パワーカーブでいくぞ。)




氷室(試合経験の少ない俺に、読みは必要ない。反応で、来た球に食らいつく。)





ビュゴォォーーッゥッッ!!!




カクゥッッッッッ!!



氷室(カーブ!!)


ピクッ!





ズバンッッ!!!





棟方(バットを止めたか…。だがこれは入ったんじゃ…?)






『ボール!!!カウント3ボール1ストライク!!』




棟方(今のボールはあまりにも痛い…。これで次に投げる球がなくなった…。ストライクでツーツーにまで持っていければまだ1球遊ぶ余裕が出来たのに…。)



青龍寺(球審厳しいだろ殺すぞ。)




棟方(ここでストレートは万人が読める。っつってもストレートしか投げれない状況なのは確かだ…。ここで調子のいい氷室にパワーカーブ連投はリスキー過ぎる。他の変化球は正直言って抜けるのが怖い。くっそ…こうなったら博打だ。)




青龍寺(スライダー!)


棟方(フォアボールでも構わない。低めを意識して腕を振れ。ワンバウンドでフォアボールで全然オッケーだ。1番やばいのは置きに行って長打を食らうこと。)






《さあ第5球!!》




ビュゴォォォーーーーーッッッッ!!





カァァクゥッッッッ!!!





ブンッッ!!!





『これは空振り!!!ストライクからボールになるスライダー!!!』



棟方(さすが。ナイスボールだ。ここでスライダーでカウントが取れたことはかなり大きい。)



(これでラスト1球、スライダーを続けるか、ストレートでゴリ押すかの選択肢が出来た。)




青龍寺(ぶっちゃけ、今のスライダーもたまたま指にうまく引っ掛かってくれた感が否めねえ…。)


棟方(スライダーは不安か。それならストレートでいくぞ。せっかくここまで追い込んだんだ。三振を積極的に狙っていくぞ。インコースだ。)






《さあカウントはフルカウント!!青龍寺が氷室に第6球を…》








《投げる!!!!》




ビュゴォォォーーーーーッッッッーーッ!!








氷室(グリップをボールに当てるイメージで…)



(最短距離で!!強いスイング!!!)







棟方(ナイスボール!!!)


青龍寺(これならどーだ!!!)









カキィィーーーッッーーッンッ!!!!!




棟方(なっ…!)


青龍寺(………!)






《打球はレフトライン際!!!!》








『フェア!!!!』






《フェアだ!!これは長打コース!!!バッターランナー氷室は悠々とセカンドへ!!!》



棟方(やられた…。)


《追い込まれてから氷室のツーベースヒット!!!!ワンナウトランナー、二塁!!》




青龍寺(今のを打つかよ…氷室…。)


棟方(折角ここまで苦労して作り上げたカウントを…。最後のも苦しい中、ナイスボールだったのに…。)



ドッッッッッ!!



青龍寺(なんか今…一気に疲れを感じた…。)


棟方(なんとかしてこの下位打線二人で終わらせたい…。1番まで戻ると色々面倒臭い…。)







『邦南高校、選手の交代をお知らせします。8番、サード、島谷倫暁くんに代わりまして、代打、木村くん。バッターは、木村くん。』





《4点ビハインドの最終回邦南高校、ワンナウト二塁で8番の島谷倫暁に代打!!ここで登場するのは木村太郎!!!甲子園初打席!!!》




最近忙しくて投稿できませんでした!すいません!

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