No.356:南條 由毅哉
『9回の表、啓稜学院高校の攻撃は、5番、ファースト、南條くん。』
南條 本日の打撃成績
1:遊併
2:二飛
3:三併
4:空三振
《マウンド上は、南阪のエース、至高の9人組こと、S・9の一人、鬼頭博行!!打席には今日の試合全く良いところのない南條が入ります!!!》
西口(今日こいつはカモにしてる。今まで通りリードしていければ問題ない。)
《マウンド上、鬼頭、ワインドアップモーションから、第1球、》
鬼頭(ズバッといくぞ!西口!!)
《投げる!!!!!》
ズッッバァァァーーーッッーーッッーッンッ!!!!!!
【156km/h】
《初球はストレート!!!!156キロは自己最速タイ!!!!!しかしバッターボックスの南條も負けじとフルスイング!!!!》
西口(振ってきたか。どうやら打つ気満々なようだな。南條。)
南條(このまま、情けねえ打撃結果で優勝なんてしても後味悪い。)
(自分のスイングで。後は野球の神様がヒットを打たせてくれるはずだ。)
西口(さすがは啓稜のバッター。博行先輩の球でも決して屈せず向かってくる。)
鬼頭(そーでなくちゃ、やり甲斐ってのがねーしな。)
《第2球、投げる!!!!》
ビュゴォォォォォォッッッ!!!!
南條(遠い!!!)
ズッッバァァァーーーッッーーッッーッンッ!!
『ボール!!!!』
【156km/h】
《南條見極めた!!!これはボールでカウントワンエンドワン!!!》
西口(これは手が出なかったんじゃなく、きちんと見極めてきてる。)
南條(俺なら打てる。絶対に打てる。)
西口(ストレートは打たれないとは思いますが、ここは念のため縦スラでカウントを整えます。)
鬼頭(わかった。)
ビュゴォォォォォォッッッ!!!!
カァァァクゥゥッッッッ!!!!!!
ズバーーーッンッッッ!!!!!
『ストライーク!!!!』
南條(縦スラか。なかなかいい切れ味だな。)
西口(今のでこの打席は一気に俺達の主導権だ。縦スラを意識したところで…)
鬼頭(ストレートぶちこむぞ。)
西口(そのつもりです。決めちゃってください。)
《キャッチャー西口がインコースにミットを構える!!!!》
ビュゴォォォォォォッッッ!!!!
南條(インコース!!!)
カキーーーッーンッ!!!
西口(当てたか…。)
『ファールボール!!!!!』
《これも渾身のストレート!!しかし南條もフルスイングでこれに対応!!!今度は当てた!!!》
西口(相当ストレートを意識してる。なら今度はこれで…)
鬼頭(超高速シュート。)
《鬼頭がワインドアップモーションから、第4球、》
南條(入学したとき、俺は青龍寺や、和徳、政成、憲明とか、開発とか…そいつらの打撃を見て、正直言ったとこ、ビビった。打撃センスじゃこいつらに勝てない。でも俺は、センスで勝てなくても、努力でコイツらに追い付き、追い抜こうと、その時決心した。そして努力に努力を重ねて掴んだ啓稜学院の5番打者…。)
《投げる!!!!!》
ビュゴォォォォォォッッッ!!!!
“だから俺は、どんなスゲーやつが相手でも、絶対に逃げねえし!!!”
“打てる自信だってあるんだよ!!!!!”
西口(…?)
カキィーーーーッーーーンッッ!!!!!!
鬼頭『はっ!?』
《インコースへの超高速シュートを怯まず弾き返した!!!!レフト前にクリーンヒットだ!!!!5番南條!!今日はこれまで不甲斐ない打撃成績でしたがしかし!!9回表、先頭バッターとしてあの鬼頭のウイニングショット、超高速シュートを弾き返しての出塁!!!!9回表啓稜学院、ノーアウトのランナーが出ました!!!!》
棟方『おっしゃあ!!ナイバッチ由毅哉!!!』
南條『どうだ見たか!!!!』
西陣『ウィーーーッ!!さすがの剛力!!!』
『やっぱやるときはやる男っすね。南條サン。』
寺原『こんなん、僕も続くしかないじゃないですか。』
『6番、センター、寺原くん。』
《先頭の南條がレフト前ヒットで出塁!!!ノーアウト一塁で打席には2年生ながら今大会4本塁打の6番寺原!!!!先程はセンターの守備で見事な本塁へのスローを見せていますが、打撃も注目のスラッガーです!!!邦南バッテリーは依然として厳しい打者が続きます!!!!》